コラム
筋トレの順番|種目の順番と、有酸素はどっちが先か
順番のルールは3つしかありません。
- ▸ 大きい種目から、小さい種目へ
- ▸ 重いものから、軽いものへ
- ▸ 有酸素は筋トレの後
理由は全部同じで、後回しにしたものほど、疲れた体でやることになるからです。いちばん伸ばしたいものを、いちばん元気なうちにやる。順番の話はこれに尽きます。
以下、1回の流れ・部位ごとの並べ方・有酸素の置き場所の順に具体化します。
1回のトレーニングの流れ
| やること | 時間 | 中身 |
|---|---|---|
| 1. 動的ストレッチ | 5分 | 関節を大きく動かす。座って伸ばすのはここではやらない |
| 2. アップセット | 5分 | その日の1種目目を、軽い重量から段階的に上げる |
| 3. メイン種目(大きい種目) | 20分 | ベンチプレス・スクワットなど、いちばん重いものを最初に |
| 4. 補助種目(小さい種目) | 20分 | フライ・サイドレイズなど、1つの筋肉を狙うもの |
| 5. 腹筋 | 5分 | 先にやると体幹が効かなくなるので最後 |
| 6. 有酸素 | 任意 | やるならここ。筋トレの前ではなく後 |
| 7. 静的ストレッチ | 5分 | ゆっくり伸ばすのはトレーニングが終わってから |
※ 60分とれた日の配分です。30分しかない日は4と6を削ります。
ストレッチが前と後で種類が違う点だけ補足しておきます。前は関節を動かす動的ストレッチ、後はゆっくり伸ばす静的ストレッチです。トレーニング前に静的ストレッチを長くやると、直後の力が落ちます。使い分けはストレッチの効果とやり方にまとめました。
なぜ大きい種目が先なのか
ベンチプレスは、胸だけで挙げているわけではありません。三頭筋(腕の裏)と肩の前側が一緒に働いています。
ここで順番を逆にして、先に腕の種目で三頭筋を追い込んでしまうとどうなるか。胸がまだ元気なのに、腕が先に力尽きてベンチが挙がらなくなります。胸を鍛えに来たのに、胸に届く前に終わるわけです。
背中も同じで、先に腕のカールをやると、ロウや懸垂で二頭筋が先に限界を迎えます。脚も、先にレッグエクステンションで太ももを疲れさせるとスクワットの重量が落ちます。
つまり小さい筋肉は、大きい種目の「土台」として先に消費してはいけないということです。土台を残したまま重いものを終わらせて、余った力で小さい種目を仕上げる。これが順番の原則です。
部位別・種目の並べ方の例
胸の日
ベンチプレス → インクラインダンベルプレス → ダンベルフライ → ケーブルクロスオーバー
背中の日
懸垂(またはラットプルダウン)→ ベントオーバーロウ → シーテッドロウ → ストレートアームプルダウン
脚の日
スクワット → レッグプレス → ルーマニアンデッドリフト → レッグエクステンション・レッグカール → カーフレイズ
肩・腕の日
ショルダープレス → サイドレイズ → リアレイズ → バーベルカール → トライセプスプッシュダウン
腕の中でどちらを優先するか(結論は三頭筋)は腕を太くする筋トレに、お尻を狙うときの並べ方はお尻を鍛える筋トレに書きました。
どれもバーベルやマシンで複数の関節を使う種目が先、1つの筋肉だけを狙う種目が後になっています。種目名が変わっても、この並びさえ守れば順番で失敗することはありません。
どの部位をどの曜日にやるか自体は分割法の早見表で決まります。週に何回行けるかがまだ決まっていない人は週に何回筋トレすればいい?が先です。
腹筋は最後にやる
腹筋を最初にやる人がときどきいますが、これはおすすめしません。スクワットもデッドリフトも、体幹が固まっていることを前提にした種目だからです。
先に腹筋を疲れさせると、重いものを持ったときに背中が丸まりやすくなります。重量が落ちるだけならまだしも、腰を痛める入口になります。腹筋は回復が速い部位なので、最後に回しても十分に効かせられます。
有酸素運動は筋トレの前?後?
後です。これは目的が何であってもほぼ変わりません。
先に走ると、筋トレで使う分のエネルギーと集中力を先に消費してしまいます。20分走ったあとのスクワットは、確実に重量が落ちます。逆に筋トレを先にやると、糖質をある程度使った状態で有酸素に入るので、脂肪が使われやすいという利点まで付いてきます。
| 目的 | 順番 | 補足 |
|---|---|---|
| 筋肉を増やしたい | 筋トレ → 有酸素 | 有酸素は短めに。別日に分けられるならそのほうがいい |
| 脂肪を落としたい | 筋トレ → 有酸素 | 先に糖質を使っておくと、その後の有酸素で脂肪が使われやすい |
| 体力・心肺機能を上げたい | 有酸素を別日に | この目的だけは有酸素が主役。筋トレの後だと質が落ちる |
| 時間がない | 筋トレだけやる | 削るなら有酸素から。筋トレは後から取り返しがきかない |
なぜ脂肪を落とす目的でも筋トレが先なのかは、筋トレで痩せる仕組みと脂肪燃焼に筋トレが有酸素より効果的な理由で数字を出して説明しています。
最初の1種目は、いきなり本番の重量から入らない
順番の話でいちばん抜けやすいのが、その日の1種目目の入り方です。ベンチプレスで80kgを扱う人が、1セット目からいきなり80kgを持つと、力も出ませんし怪我のリスクも上がります。
段階的に上げていきます。たとえば本番80kgなら、バーだけ(20kg)で10回 → 40kgで5回 → 60kgで3回 → 本番80kg、という具合です。アップのセットで疲れないよう、回数は少なめに。
自分の本番重量が今どのくらいかを確かめたいときは1RM換算ツールが使えます。体重に対して今どの位置にいるかは重量チェッカーで確認できます。
原則を破っていい場合
例外は2つだけあります。
1つめは弱点を優先したいとき。どうしても伸ばしたい部位がある場合は、その種目を小さい種目でも先頭に置きます。伸ばしたいものを、いちばん元気なうちにやる——原則の考え方自体は同じです。
2つめはフォームを覚えている最中の種目。疲れた状態で新しい動きを練習しても、崩れたフォームを覚えるだけです。重量が軽くても先にやってください。
筆者(筋トレ歴15年・フィジーク大会入賞)の場合
私はフィジーク志向なので、この「弱点を先頭に置く」例外をずっと使ってきました。結果として上半身に偏り、ベンチ120kg・スクワット120kg・デッドリフト160kgという、スクワットが明らかに軽いBIG3になっています(通常はスクワットがベンチの1.5倍前後)。
これは失敗ではなく、順番で優先度を表現した結果です。限られた体力をどこに先に使うかは、そのまま体つきに出ます。逆に言えば「全部を均等に伸ばす順番」は存在しません。何を先にやるかを決めることが、何を諦めるかを決めることでもあります(BIG3の重量目安一覧)。
よくある質問
有酸素を先にやってしまった日はどうすれば?
その日は重量を落として、回数で組んでください。無理に普段の重量を狙うと、フォームが崩れた状態で挙げることになります。1日の順番の失敗は、翌週に取り返せます。
マシンとフリーウェイトはどちらを先に?
原則どおり大きい種目が先です。多くの場合それはバーベルやダンベルの種目になります。ただし初心者がフォームを覚える段階では、マシンで動きを覚えてからフリーウェイトに移るほうが安全です(ジム初心者が最初にやるべきマシン5選)。
全身をやる日は、どの部位から始めますか?
脚 → 背中 → 胸 → 肩・腕 → 腹筋の順です。いちばん消耗する脚を最初に置きます。脚を最後に回すと、ほぼ確実に「今日はもういいか」になります。
時間がない日は、どこから削ればいいですか?
有酸素 → 補助種目 → 腹筋の順に削って、メイン種目だけは残します。20分しかなくても、メイン1種目を3セットやれば十分に意味があります。
まとめ
- ▸ 順番の原則は大きい種目 → 小さい種目。土台になる小さい筋肉を先に使い切らない
- ▸ 腹筋は最後。先にやると重い種目で腰が危ない
- ▸ 有酸素は筋トレの後。心肺が目的のときだけ別日に分ける
- ▸ 1種目目は軽い重量から段階的に上げて本番に入る
- ▸ 例外は弱点部位とフォーム練習中の種目だけ
サクトレのメニュー作成は、この原則(大きい種目 → 小さい種目、腹筋は最後)で並べた状態で今日の1回分を出します。並べ方を毎回考えるのが面倒な人は、出てきた順にやってもらえれば大丈夫です。
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この記事を書いた人
motsu
20代で体重90kg超の運動不足から一念発起。試行錯誤の末に大会入賞レベルまで体を変えた実体験をもとに発信しています。