サクラサクトレ

コラム

BIG3の重量目安一覧|ベンチプレス・スクワット・デッドリフトは体重の何倍が普通?

「ベンチプレス60kgって、上のほうなのか下のほうなのか」。ジムでバーベルを触りはじめると、必ずこの疑問にぶつかります。周りの人の重量は目に入るのに、自分がどのあたりにいるのかだけがわからない。

重量の評価は「体重の何倍か」で見るのが世界共通のやり方です。体重60kgの人の80kgと、体重90kgの人の80kgは、まったく意味が違うからです。この記事では、BIG3(ビッグ3=ベンチプレス・スクワット・デッドリフト)の目安を体重別・レベル別の一覧表(早見表)にまとめました。自分の現在地を確認してから読み進めてください。

先に知っておくこと

以下の表はすべて1RM(1回だけ挙げられる最大重量)を基準にしています。普段10回挙げている重量とは別物なので、比べる前に自分の1RMを把握してください。実際に1回の限界に挑戦するのは危険なので、RM計算機で「今の重量 × 回数」から換算するのが安全で正確です。

1RM換算表:今の重量×回数から最大重量を出す

表と自分を比べる前に、まず1RMを求めます。使うのはEpley式で、計算は「今の重量 ×(1 + 回数 ÷ 30)」だけです。下の倍率を掛けるだけでも同じ数字が出ます。

挙がる回数倍率60kgなら80kgなら100kgなら
1×1.0060kg80kg100kg
2×1.0764kg85kg107kg
3×1.1066kg88kg110kg
4×1.1368kg91kg113kg
5×1.1770kg93kg117kg
6×1.2072kg96kg120kg
8×1.2776kg101kg127kg
10×1.3380kg107kg133kg
12×1.4084kg112kg140kg
15×1.5090kg120kg150kg

例:ベンチプレス80kgが8回挙がるなら 80 × 1.27 = 約101kgが1RM。体重70kgの人なら体重比1.4倍で、「上級者」(×1.25)を超えて「エリート」(×1.5)が見えてくる位置です。

※ 回数が増えるほど誤差は大きくなります。6回以下で計算するのが最も正確で、15回を超える重量から逆算した数字はあまり当てになりません。任意の重量・回数はRM計算機で計算できます。

ベンチプレスの重量目安(男性)

上半身の代表種目。BIG3の中では最も伸びが遅く、体重の1.0倍(=自分の体重と同じ重さ)が最初の大きな壁になります。

レベル体重比50kg60kg70kg80kg90kg100kg
未経験×0.525kg30kg35kg40kg45kg50kg
初心者×0.7538kg45kg53kg60kg68kg75kg
中級者×1.050kg60kg70kg80kg90kg100kg
上級者×1.2563kg75kg88kg100kg113kg125kg
エリート×1.575kg90kg105kg120kg135kg150kg
  • 未経験(体重×0.5はじめてバーベルを握る段階
  • 初心者(体重×0.75数ヶ月続ければ届く
  • 中級者(体重×1.0体重と同じ重さ。最初の大きな壁
  • 上級者(体重×1.25ジムで一目置かれるライン
  • エリート(体重×1.5競技志向の領域

※ 体重60kgの人が60kgを挙げれば「中級者」。多くの人がこの手前で長く足踏みします。

スクワットの重量目安(男性)

下半身とお尻・体幹をまとめて使う種目。扱える重量はベンチプレスよりずっと大きく、目安も1段階上になります。

レベル体重比50kg60kg70kg80kg90kg100kg
未経験×0.7538kg45kg53kg60kg68kg75kg
初心者×1.2563kg75kg88kg100kg113kg125kg
中級者×1.575kg90kg105kg120kg135kg150kg
上級者×2.0100kg120kg140kg160kg180kg200kg
エリート×2.5125kg150kg175kg200kg225kg250kg
  • 未経験(体重×0.75フォーム習得が最優先
  • 初心者(体重×1.25体重の1.25倍
  • 中級者(体重×1.5下半身が「使える」ラインに
  • 上級者(体重×2.0体重の2倍。到達者は少数
  • エリート(体重×2.5競技志向の領域

※ 深さ(しゃがみの深さ)で数字は大きく変わります。太ももが床と平行になるまでしゃがんだ重量で比べてください。

デッドリフトの重量目安(男性)

全身で最も重い重量を扱える種目。伸びが速いので、始めたばかりの人でも数字が伸びる実感を得やすいのが特徴です。

レベル体重比50kg60kg70kg80kg90kg100kg
未経験×1.050kg60kg70kg80kg90kg100kg
初心者×1.575kg90kg105kg120kg135kg150kg
中級者×2.0100kg120kg140kg160kg180kg200kg
上級者×2.5125kg150kg175kg200kg225kg250kg
エリート×3.0150kg180kg210kg240kg270kg300kg
  • 未経験(体重×1.0背中を丸めないことが全て
  • 初心者(体重×1.5BIG3で最も伸びが速い
  • 中級者(体重×2.0体重の2倍
  • 上級者(体重×2.5ベルトとグリップが必須に
  • エリート(体重×3.0競技志向の領域

※ 数字が伸びやすいぶん、フォームが崩れたまま重量だけ増えて腰を痛める事故が最も多い種目でもあります。

BIG3合計(トータル)の目安

3種目の1RMを足した数字を「BIG3合計」「BIG3トータル」と呼びます。種目ごとの得意・不得意がならされるので、全体の力量を1つの数字で見たいときに便利です。

レベル体重比50kg60kg70kg80kg90kg100kg
未経験×2.25113kg135kg158kg180kg203kg225kg
初心者×3.5175kg210kg245kg280kg315kg350kg
中級者×4.5225kg270kg315kg360kg405kg450kg
上級者×5.75288kg345kg403kg460kg518kg575kg
エリート×7.0350kg420kg490kg560kg630kg700kg
  • 未経験(体重×2.253種目とも始めたばかり
  • 初心者(体重×3.5半年〜1年で届く人が多い
  • 中級者(体重×4.5BIG3合計の最初の目標地点
  • 上級者(体重×5.753種目とも高い水準で揃っている
  • エリート(体重×7.0競技志向の領域

※ 各種目の目安をそのまま足した値です。合計が体重の4.5倍で中級者、と覚えておくと現在地を把握しやすくなります。

ただし合計は内訳を隠します。筆者のように1種目だけ突出していても合計は伸びるので、弱点を探すときは必ず種目ごとの表に戻ってください。

女性の重量目安

女性は男性に比べて上半身の筋量が少なく、下半身との差が大きい傾向があります。そのためベンチプレスの比率は低め、下半身種目は男性に近い比率になります。

ベンチプレス(女性)

レベル体重比45kg50kg55kg60kg65kg
初心者×0.418kg20kg22kg24kg26kg
中級者×0.627kg30kg33kg36kg39kg
上級者×0.836kg40kg44kg48kg52kg
  • 初心者(体重×0.4バーベル(20kg)だけでも十分な段階
  • 中級者(体重×0.6上半身で最も伸びにくい種目
  • 上級者(体重×0.8続けている女性でも到達者は多くない

スクワット(女性)

レベル体重比45kg50kg55kg60kg65kg
初心者×0.7534kg38kg41kg45kg49kg
中級者×1.150kg55kg61kg66kg72kg
上級者×1.568kg75kg83kg90kg98kg
  • 初心者(体重×0.75自重で深くしゃがめてから重量へ
  • 中級者(体重×1.1体重を超えるあたり
  • 上級者(体重×1.5男性の中級者と同じ比率

デッドリフト(女性)

レベル体重比45kg50kg55kg60kg65kg
初心者×1.045kg50kg55kg60kg65kg
中級者×1.359kg65kg72kg78kg85kg
上級者×1.881kg90kg99kg108kg117kg
  • 初心者(体重×1.0女性が最初に体重を超えやすい種目
  • 中級者(体重×1.3お尻と背中が使えている証拠
  • 上級者(体重×1.8男性の中級者に近い水準

※ ベンチプレスのバーベルは、シャフトだけで20kgあります。体重50kgの女性にとってはシャフト単体が体重×0.4=すでに初心者の目安なので、最初はスミスマシンやダンベルから始めて問題ありません。数字が出ないのは筋力不足ではなく、器具の下限がそこにあるためです。

※ 重い重量を扱っても体は太くなりません。理由は女性が筋トレしても太くならない理由で解説しています。

筆者の実データ:15年でこう動いた

ここまでは一般的な目安の話です。参考までに、筆者自身(筋トレ歴15年・フィジーク大会入賞)の数字を出しておきます。表と見比べると、きれいに当てはまらないことがわかるはずです。

種目始めた頃自己ベスト体重比
ベンチプレス60kg×2〜3回120kg約×1.4
スクワット60kg前後120kg約×1.4
デッドリフト60kg前後160kg約×1.9

※ 自己ベストは体重80kg台の頃の数字。体重比はその前提での概算です。

この3つを足すとBIG3合計は400kg。体重80kg台なので体重比は4.5〜5.0倍で、合計表では「中級者(×4.5)」をぎりぎり超えたあたりに入ります。合計だけ見れば平均以上に見えるわけですが、次に書くとおり内訳はかなり歪んでいます。合計という数字の限界がそのまま出ている例なので、自分の数字と見比べてみてください。

スタートは3種目とも60kgだった

始めた頃はベンチプレスが60kgで2〜3回。1RMに換算すると65kg程度です。スクワットもデッドリフトも、だいたい同じくらいの重量から始めています。つまり3種目とも横並びのスタートでした。表の上では「ベンチは初心者、スクワットとデッドリフトは未経験」という、ちぐはぐな位置です。最初はこれが普通です。

目安表とズレた部分:スクワットが伸びなかった

注目してほしいのは、ベンチプレスとスクワットが同じ120kgで止まっていることです。一般的な目安ではスクワットはベンチの1.5倍前後になるはずで、本来なら180kgあってもおかしくありません。

体重比で見ると、ベンチプレスは約1.4倍で表の「上級者」を超えているのに、スクワットは約1.4倍で「初心者〜中級者」の間。デッドリフトも約1.9倍で「中級者」です。BIG3のバランスとしては、明らかに上半身に偏っています。

これは失敗ではなく、目的の違いです。フィジークは上半身の見た目で評価される競技なので、下半身の最大重量を追う必要がありませんでした。目安表の全項目を埋めなくても、目的は達成できる。これが15年やってみて一番言いたいことです。表の低い行が残っていることを、恥じる必要はまったくありません。

ベンチが伸びた理由は「環境を変えたこと」だった

ベンチプレスが大きく伸びたきっかけは、新しいメニューでもサプリでもなく、ジムを変えたことでした。移った先で補助についてもらえるようになり、フォームの指導も受けられた。それだけで数字が動きました。

理由は単純で、補助者がいないと、人は限界の手前で止めてしまうからです。潰れたら戻せないという恐怖があるうちは、本当の限界には触れられません。独学で停滞しているなら、種目やメニューを変える前に、まず「見てもらえる環境」を疑ってみてください。器具や知識より、人が効きます。

そして今は、BIG3をあまりやっていない

正直に書きますが、現在はBIG3を主軸にしていません。目的が「重量を伸ばすこと」から離れれば、BIG3は数ある手段のひとつに戻ります。重量はあくまで進んでいるかを確認するための計器であって、計器の針を上げること自体が目的になった時期は、たぶん一番遠回りをしていました。

この表を鵜呑みにしてはいけない3つの理由

体格で有利不利がある:腕が長い人はベンチプレスでバーベルを動かす距離が長くなり、同じ筋力でも数字が出にくくなります。デッドリフトは逆に腕が長いほど有利です。骨格の違いは努力では埋まりません。

フォームが同じ前提の数字:反動を使ったり、しゃがみが浅かったりすれば、重量はいくらでも増やせます。フォームを崩して表の1段上に行っても、筋肉は1gも増えません。

見た目とは別の指標:重量が伸びることと、体が変わることはイコールではありません。ボディメイクが目的なら、重量は「進んでいるかを確認するための計器」であって、目的そのものではありません。

1つ上のレベルに行くための考え方

重量を伸ばす原則は「漸進性過負荷」ひとつだけです。前回より少しだけ重く、あるいは同じ重さで1回でも多く挙げる。これを積み重ねる以外に方法はありません。

実務的には、設定した回数を全セットこなせたら次回2.5kg増やすというルールで十分です。上半身は伸びが遅いので、1.25kgのマイクロプレートを使うとさらに詰まりにくくなります。

今の自分が何kg×何回でトレーニングすべきかは、適正重量チェッカーで目的別(筋力アップ/筋肥大/引き締め)に確認できます。頻度の決め方は週に何回筋トレすればいい?を参考にしてください。

まとめ

  • ▸ 中級者の目安はベンチ×1.0/スクワット×1.5/デッドリフト×2.0、BIG3合計なら体重×4.5。多くの人が最初に目指す到達点です。
  • ▸ 比べる前に1RMに換算する。今の重量 ×(1 + 回数 ÷ 30)で出ます。6回以下で計算すると誤差が小さくなります。
  • 合計は内訳を隠します。筆者は合計400kg(体重比4.5〜5.0倍)で中級者を超えていますが、スクワット単体では中級者に届いていません。
  • ▸ 表の役割は優劣をつけることではなく、現在地を知って次の一歩を決めること。全項目を埋めなくても目的は達成できます。

まずは今の重量から1RMを換算し、自分がどの行にいるかを確認してみてください。次の行までの距離が具体的な数字で見えた瞬間、トレーニングは「なんとなく」から「計画」に変わります。

🧮 自分の1RMを計算する

今の重量と回数を入れるだけ。表のどこにいるかがすぐわかります →

この記事をシェア

🏋️

運営者厳選のおすすめギア

高重量で必須になるベルト・グリップを見る →

この記事を書いた人

motsu

筋トレ歴15年フィジーク大会入賞90kg→78kg(−12kg)

20代で体重90kg超の運動不足から一念発起。試行錯誤の末に大会入賞レベルまで体を変えた実体験をもとに発信しています。