コラム
お尻を鍛える筋トレ|スクワットだけでヒップアップしない理由
「お尻を上げたいからスクワットをしている」。よく聞く話ですが、スクワットをしても前ももばかり太くなったという人も同じくらい多いはずです。
原因ははっきりしています。お尻の筋肉(大殿筋)は股関節を伸ばすときに働く筋肉です。ところがスクワットは、やり方次第で膝を伸ばす動き(=前もも)が主役になってしまいます。同じ種目名でも、中身が別物になるということです。
この記事では、お尻に効く種目を動きの種類で分けて整理します。種目名を覚えるより、この分け方のほうが役に立ちます。
お尻に効く種目の一覧
| 種目 | 効く場所 | 自宅 | コツ |
|---|---|---|---|
| ヒップスラスト股関節を伸ばす | 大殿筋 | 床でそのまま可 | お尻の種目で最も重い重量を扱える。上で1秒止める |
| ルーマニアンデッドリフト股関節を伸ばす | 大殿筋・もも裏 | ダンベルで可 | 膝を曲げすぎない。お尻を後ろに引いて伸ばす |
| ブルガリアンスクワット股関節を伸ばす(片脚) | 大殿筋・前もも | 椅子があれば可 | 前に倒すほどお尻に寄る。片脚なので軽くても効く |
| ヒップリフト股関節を伸ばす | 大殿筋 | 床でそのまま可 | 器具なしの入口。慣れたら片脚で行う |
| ワイドスクワットしゃがむ(足幅広め) | 大殿筋・内もも | 自重で可 | 普通のスクワットより股関節の動きが大きい |
| サイドランジ横に踏み出す | 中殿筋・内もも | 自重で可 | 横の張り出しを作る動き。スクワットでは代われない |
表の左端に動きの種類を書きました。ここがこの記事の要点です。お尻を鍛えるとは、股関節を伸ばす動きを、重い負荷で繰り返すことです。スクワットは「しゃがむ」動きなので、その中にどれだけ股関節の動きを入れられるかで結果が変わります。
迷ったらヒップスラストを軸にしてください。股関節を伸ばす動きだけを取り出した種目なので、お尻に効かせるのが一番簡単です。
スクワットでお尻に効かないときの直し方
| 原因 | 起きること | 直し方 |
|---|---|---|
| しゃがみが浅い | 前ももだけで終わる | 太ももが床と平行になるまで下ろす |
| 膝から曲げている | 股関節がほとんど動かない | 先にお尻を後ろに引いてから膝を曲げる |
| 足幅が狭い | 前ももに寄りやすい | 肩幅よりやや広く、つま先を少し外へ |
| 軽すぎる | 回数だけ増えて負荷が変わらない | 10〜12回で限界が来る重さに上げる |
中でも効くのは深さです。浅いスクワットは股関節がほとんど動かないので、名前はスクワットでもお尻の種目にはなりません。深さで数字がどれだけ変わるかはスクワットの平均は何kg?にまとめています。
丸みを作るのは「横」の筋肉
お尻の見た目には、もうひとつ別の筋肉が関わります。中殿筋——骨盤の横についている筋肉です。
大殿筋が後ろへの厚みを作るのに対し、中殿筋は横への張り出しを作ります。「上がった」だけでなく「丸い」と言われる形は、この2つが揃ったときの形です。
そして中殿筋は、前後の動きではほとんど鍛えられません。スクワットもデッドリフトも前後の動きだからです。横に開く・横に踏み出す動きを、週に1種目でいいので入れてください。サイドランジがその役です。
どのくらいの重さでやるか(女性の目安)
お尻の種目は下半身なので、上半身より重い重量を扱えます。体重55kgの女性なら、バーベルスクワットの目安は次のとおりです。
| レベル | スクワット | デッドリフト |
|---|---|---|
| 初心者 | 41kg | 55kg |
| 中級者 | 61kg | 72kg |
| 上級者 | 83kg | 99kg |
※ 1回だけ挙がる重さ(1RM)の目安です。実際に組むのは10〜12回できる重さになります。体重別の一覧は重量チェッカーで確認できます。
ヒップスラストは、この表のスクワットよりさらに重い重量を扱えるのが普通です。股関節を伸ばす動きだけで、しゃがむ深さの制約がないためです。「お尻の日は一番重いものを持つ日」と考えておいて構いません。
頻度と、見た目が変わるまで
お尻と脚は大きい筋肉なので、回復は48〜72時間。同じ部位は中2〜3日あけてください。週2回が上限だと考えると組みやすいです(週に何回筋トレすればいい?)。
そして正直に書いておくと、お尻の形が変わるのは筋肉が増えたときだけではありません。上に乗っている脂肪が減ったときにも、輪郭は大きく変わります。どちらか一方ではなく両方です。
ただし「お尻だけ痩せる」は起きません。脂肪は全身から均等に落ちます(部分痩せが起きない理由)。逆に言えば、筋肉をつける側は部位を選べます。だから鍛える側を狙い撃ちして、落とす側は全身の収支で進めるのが正解になります。
筆者(筋トレ歴15年)の立場
先に断っておくと、私は男性で、ヒップアップを目的にトレーニングしたことはありません。フィジーク志向で上半身を優先してきたので、スクワットはベンチと同じ120kgで止まっています。
それでも書けることが1つあります。デッドリフトの自己ベストは160kgで、これは股関節を伸ばす動きの種目です。この重さを扱うとき、実際に一番働いているのはお尻です。「お尻は、重い物を持ち上げるための筋肉」——形を作る前に、ここを理解しておくと種目選びで迷わなくなります。軽い重さで回数を増やす方向より、少しずつ重くする方向のほうが結果が出ます。
よくある質問
自宅だけでもお尻は変わりますか?
変わります。ヒップリフトとブルガリアンスクワットは自重でも十分に効きます。ただし自重だけだと早い段階で負荷が足りなくなるので、そのときは片脚にするか、ダンベルを持ってください(ダンベルは何kgを買えばいい?)。
脚が太くなるのが心配です。
女性が短期間で脚を太くするのは、ホルモンの関係で簡単ではありません(女性が筋トレしても太くならない理由)。気になる場合は、前ももが主役になりやすい深いスクワットより、ヒップスラストとルーマニアンデッドリフト中心に組めば狙いを絞れます。
毎日ヒップリフトをやってもいいですか?
お尻は大きい筋肉なので、中2〜3日あけたほうが伸びます。毎日やれるということは、負荷が軽すぎるというサインでもあります。
40代でも間に合いますか?
間に合います。むしろ座っている時間が長いほどお尻は使われていないので、伸びしろが残っています。年代別の組み方は40代女性が筋トレで痩せにくい理由と対策にまとめました。
まとめ
- ▸ お尻は股関節を伸ばす筋肉。しゃがむ動きより、伸ばす動きで鍛える
- ▸ 迷ったらヒップスラストを軸に。お尻の日は一番重いものを持つ日
- ▸ スクワットで効かない原因の多くは深さと、膝から曲げていること
- ▸ 丸みを作るのは中殿筋。横に踏み出す種目を週1つ入れる
- ▸ 形は筋肉と脂肪の両方で決まる。ただしお尻だけ痩せることはできない
💪 一人で続ける自信がない方へ
お尻の種目は「効いている感覚」がつかみにくく、自己流だと前ももばかり疲れて終わりがちです。フォームだけ人に見てもらう、という選択もあります。
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この記事を書いた人
motsu
20代で体重90kg超の運動不足から一念発起。試行錯誤の末に大会入賞レベルまで体を変えた実体験をもとに発信しています。