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コラム

腹筋が割れる体脂肪率は何%?男女別の見え方と必要な減量の計算

先に、いちばん大事なことを書きます。腹筋は、腹筋運動では割れません。

割れているかどうかは、筋肉があるかないかの話ではないからです。腹直筋はもともと縦と横の腱で区切られていて、誰のお腹でも最初から割れています。見えないのは、その上に脂肪が乗っているからです。

つまり「腹筋を割る」作業の中身は、体脂肪率を下げること。そして体脂肪率を下げるのは、腹筋運動ではなく食事です。この記事では、何%で見え始めるのかと、そこまで何kg落とせばいいのかを計算して出します。

体脂肪率ごとの見え方(男性)

体脂肪率見え方補足
25%以上腹筋の輪郭は出ないまずここから下げる段階
20%前後立つとお腹が少し出る日本人男性に多い水準
15%前後上の2つがうっすら見える服を着ると分からない
12%前後4つに割れて見える「割れた」と言われる入口
10%前後6つ見える食事の管理が前提になる
8%以下血管が浮く競技者が試合前だけ作る状態

男性の目標は12%前後だと考えてください。ここが「割れて見える」の入口です。10%を切ると6つ見えますが、その水準は食事を管理し続けないと維持できません

体脂肪率ごとの見え方(女性)

女性は同じ見え方になる体脂肪率が男性より8〜10%高いところにあります。胸やお尻、皮下に脂肪が付く仕組みが違うためで、体質や努力の差ではありません。

体脂肪率見え方補足
30%以上腹筋の輪郭は出ない
25%前後お腹は平ら寄り健康的に見える範囲
22%前後縦線がうっすら出る
20%前後上の2つが見える
18%前後割れて見える維持には管理が要る
15%以下競技者の水準月経が止まるリスクがある

そして女性には、はっきり線を引いておくべき下限があります。体脂肪率が15%を下回るとホルモンの分泌が乱れ、月経が止まることがあります。体を動かすのに最低限必要な脂肪(必須脂肪)は男性で3〜5%、女性では8〜12%あると言われていて、女性の「割れた腹筋」は、この下限のすぐ近くにあります。

目指すこと自体は否定しませんが、通年で維持するものではありません。競技者も試合前だけ作ります。

そこまで何kg落とせばいいのか(計算)

ここからが本題です。体重70kg・体脂肪率20%の人を例に計算します。この人の脂肪は14kg、脂肪以外(筋肉・骨・水分)は56kgです。

筋肉を落とさず脂肪だけを減らすと、この56kgは変わりません。すると目標の体脂肪率ごとに、落とすべき脂肪の量が一意に決まります。

目標落とす脂肪必要なkcal1日300kcal減で
18%1.7kg12,240kcal41
15%4.1kg29,520kcal98
12%6.4kg46,080kcal154
10%7.8kg56,160kcal187

※ 体脂肪1kg=約7,200kcalで換算。落ちるのが全部脂肪だという前提の理論値なので、実際はもう少しかかります。

20%から12%まで、落とす脂肪は6.4kg。 1日300kcalの赤字なら約5ヶ月です。腹筋が割れるまでにかかる時間は、根性の量ではなく、この引き算で決まります。

逆に言えば、体脂肪率を1%下げるだけでも1kg近い脂肪(この体格なら0.9kg) を落とす必要があります。体組成計の数字が1週間で動かないのは普通のことです。

腹筋運動を1000回しても割れない理由

「お腹の脂肪を落としたいから腹筋運動をする」は、残念ながら理屈が通っていません。使った部位の脂肪が優先して落ちる(部分痩せ)という現象は確認されていないからです。脂肪は全身から均等に落ちていき、どこから先に落ちるかは体質で決まります。

消費カロリーで見るともっとはっきりします。腹筋運動を10分やって消えるカロリーは、せいぜいおにぎり半分ぶんです。上の表で必要だった46,080kcalを腹筋運動だけで作るのは、現実的ではありません。

自分の運動が何kcalになるかは消費カロリー計算機で確認できます。数字を見ると、運動で減らすより食事で作るほうが早いのがすぐ分かるはずです。

では腹筋のトレーニングは不要なのか

必要です。ただし役割が違います

脂肪が減って腹筋が見えてきたとき、その腹筋に厚みがあるかどうかで見え方が変わります。薄いまま体脂肪だけ落とすと、割れてはいるけれど平坦、という状態になります。腹筋運動は「脂肪を減らす作業」ではなく「見えたときの形を作る作業」です。

そして筋トレ全体は、落とした体重を戻さないために効きます。食事制限だけで落とすと筋肉も一緒に減り、戻りやすい体になります。仕組みはリバウンドする理由と筋トレの関係に、代謝の実際の数字は筋トレで痩せる仕組みに書きました。

筆者(筋トレ歴15年)の場合

私は体重90kg超から78kgまで、約1年で12kg落としました。1ヶ月あたり1kgのペースです。この記事の計算で言えば、1日あたり約237kcalの赤字を1年続けた計算になります。

正直に書くと、腹筋が見えるようになった時期に腹筋運動を特別増やした記憶はありません。やったのは食事の管理と、落とした体重を筋肉で支えることだけでした。大会に出るときの仕上げは別として、日常で「割れて見える」段階までは、ほぼ食事で決まります。

体組成計の数字は、絶対値を信じない

家庭用の体組成計は、体に微弱な電流を流して脂肪の量を推定しています。脂肪は電気を通しにくく、筋肉や水分は通しやすい——その差から計算する仕組みです。

つまり体の水分量で数字が動きます。起きた直後と入浴後、食事の前後で数%変わることも珍しくありません。

なので使い方はこうです。絶対値ではなく変化を見る。測るのは毎回同じ条件(朝起きてトイレのあと、食事の前)で、日々の上下は無視して1〜2週間の平均で判断してください。20%が19%になったかどうかより、1ヶ月の平均が下向きかどうかのほうが正しい情報です。

よくある質問

体脂肪率20%ですが腹筋が見えません。異常ですか?

正常です。男性で割れて見え始めるのは12%前後なので、20%で見えないのは当たり前です。見えないことではなく、1ヶ月前より下がっているかを見てください。

お腹だけ落としたいのですが。

その方法はありません。脂肪は全身から落ち、お腹は最後に落ちる場所であることが多いです。お腹が変わり始めたときには、腕や顔はとっくに変わっています。

どのくらいのペースで落とすのが安全ですか?

月に体重の2〜4%(体重70kgなら1.4〜2.8kg)までが目安です。これ以上速いと筋肉が落ち、戻りやすくなります。1日300kcalの赤字は月1.3kgほどのペースなので、ちょうどこの範囲に収まります。

効果が見えるまでどのくらいかかりますか?

上の表のとおり、割れて見えるまでは月単位です。体の変化が出る順番は筋トレの効果はいつから出る?にまとめています。

まとめ

  • ▸ 腹筋は最初から割れている。見えないのは上の脂肪のせい。
  • ▸ 見え始めるのは男性12%前後・女性18%前後。女性は男性より8〜10%高い位置。
  • ▸ 体重70kg・20%の人が12%に届くには脂肪6.4kg、 1日300kcalの赤字で5ヶ月
  • 部分痩せは起きない。腹筋運動の役割は、見えたときの厚みを作ること。
  • ▸ 女性の15%以下は月経が止まるリスクの領域。通年で維持するものではない。

やることは、腹筋運動の回数を増やすことではなく、赤字を作り続けることと、落とした体を筋肉で支えることです。今日のメニューは質問に答えれば出てくるので、続ける側に体力を使ってください。

💪 一人で続ける自信がない方へ

体脂肪を落とす期間は、やることがはっきりしているぶん孤独です。食事の管理だけ人に任せる、という選択もあります。

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この記事を書いた人

motsu

筋トレ歴15年フィジーク大会入賞90kg→78kg(−12kg)

20代で体重90kg超の運動不足から一念発起。試行錯誤の末に大会入賞レベルまで体を変えた実体験をもとに発信しています。