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コラム

筋トレで痩せる仕組みを解説

「筋トレって筋肉をつけるものでしょ?痩せるならランニングじゃないの?」と思っていませんか?実は、筋トレはダイエットにも非常に効果的なアプローチです。しかも、有酸素運動とは異なる仕組みで体脂肪を減らすため、組み合わせることでより大きな効果が得られます。この記事では、筋トレで痩せるメカニズムをわかりやすく解説します。

基礎代謝とは何か

「代謝を上げれば痩せやすくなる」とよく聞きますが、代謝とは具体的に何でしょうか?

1日の消費カロリーの内訳

人間が1日に消費するカロリーは、大きく3つに分けられます。

  • 基礎代謝(約60〜70%):何もしなくても生命維持のために消費するエネルギー。呼吸・体温維持・臓器の活動などに使われます。
  • 身体活動(約20〜30%):歩く・運動する・家事をするなど、体を動かすことで消費するエネルギー。
  • 食事誘発性熱産生(約10%):食べ物を消化・吸収する際に消費するエネルギー。

このうち最も大きな割合を占めるのが基礎代謝です。基礎代謝が高いほど、何もしなくても多くのカロリーを消費できる「痩せやすい体」になります。

「筋肉を増やせば代謝が激増する」は言いすぎ

ここで多くのサイトが「基礎代謝を決める最大の要因は筋肉量」と書きますが、数字を見ると少し話が違います。組織ごとの1日あたりの消費カロリー(体重1kgあたり)はこうなっています。

組織1kgあたり/日メモ
心臓・腎臓約440kcal最も燃費が悪いが増やせない
約240kcal重量は軽いが消費は大きい
肝臓約200kcal基礎代謝の主役のひとつ
骨格筋約13kcal量が多いので合計では大きい
脂肪約4.5kcal筋肉の約3分の1

※Elia(1992)の組織別代謝率としてよく引用される数値です。

注目すべきは骨格筋の13kcalという数字です。仮に筋トレを頑張って筋肉を5kg増やしても、基礎代謝の増加は1日65kcal。おにぎり半分にもなりません。しかも筋肉5kgは、初心者でも1年以上かかる相当な増量です。

では「筋トレで痩せる」は嘘なのかというと、そうではありません。ただし理由が世間で言われているものとは違います。筋トレが効くのは基礎代謝の底上げではなく、この後で説明する「減量中に筋肉を守ること」と「消費側の習慣が変わること」のほうです。数字を知らないまま「代謝が上がるから痩せる」と期待すると、思ったほど減らずに続かなくなります。

自分の基礎代謝と1日の消費カロリーの概算はカロリー計算機で出せます。まず今の数字を知るところからです。

筋肉量と消費カロリーの関係

筋トレで筋肉量が増えると、どのように消費カロリーが変わるのでしょうか?

アフターバーン効果(EPOC)

筋トレの最大の特徴は「アフターバーン効果(EPOC:運動後過剰酸素消費)」です。これは、激しい筋トレの後、筋肉の修復や体のホメオスタシス(恒常性)の回復のために、トレーニング終了後も数時間〜24時間以上にわたって多くのカロリーが消費される現象です。

有酸素運動では運動中は多くのカロリーを消費しますが、終了後の消費量は急速に下がります。一方、筋トレはトレーニング後も長時間にわたって消費が続くため、「運動後も燃え続ける」効果があります。

筋肉は24時間働く「燃焼エンジン」

筋トレで筋肉量を増やすことは、体に24時間365日動き続けるエンジンを搭載するようなイメージです。筋肉が増えた分だけ、寝ている間も含めてずっとカロリーを消費してくれます。

筋肉が増えると…

  • ・同じ食事量でも太りにくくなる
  • ・少し食べすぎても体重が戻りやすい
  • ・体脂肪率が下がって引き締まって見える
  • ・リバウンドしにくい体になる

有酸素運動との比較

「痩せるなら有酸素運動では?」という疑問に答えましょう。有酸素運動(ジョギング・ウォーキング・水泳など)と筋トレは、それぞれ異なる特性を持っています。

有酸素運動の特徴

  • ・運動中の脂肪燃焼効率が高い
  • ・心肺機能を高める効果がある
  • ・筋肉量はほとんど増えない
  • ・終了後の消費カロリーはすぐに戻る
  • ・過度に行うと筋肉が分解されることがある

筋トレの特徴

  • ・運動中の直接的な脂肪燃焼は少ない
  • ・減量中に筋肉が落ちるのを防げる(これが本命)
  • ・基礎代謝も上がるが、増加幅は小さい(筋肉1kgで約13kcal)
  • ・アフターバーン効果で長時間燃焼が続く
  • ・リバウンドしにくい体質になる
  • ・体型が引き締まって見える(体重変化が少なくても)

最も効果的な組み合わせ方

ダイエット効果を最大化するには、筋トレと有酸素運動を組み合わせるのが理想的です。ただし、順番が重要です。

筋トレ → 有酸素運動の順:筋トレでグリコーゲン(糖質エネルギー)を消費した後に有酸素運動を行うと、脂肪が優先的に使われやすくなります。

別日に分ける:筋トレ日と有酸素運動日を分けると、それぞれの質を高められます。筋トレ後は筋肉の回復に集中させましょう。

「体重より体脂肪率」を意識しよう

筋トレで筋肉が増えると、体重が変わらなくても見た目が大きく変わることがあります。これは筋肉が脂肪より密度が高いためで、同じ体重でも筋肉が多い方がスリムに見えます。体重計の数字だけに一喜一憂せず、体脂肪率や見た目の変化で成果を評価しましょう。

筆者が12kg落としたときの内訳

私は体重90kg超から78kgまで、約1年で12kg落としました。この数字を先ほどの代謝の話に当てはめてみると、何が効いていたのかがはっきりします。

項目数字
減った体重12kg(約1年)
仮に全部が脂肪なら7,200kcal × 12 = 86,400kcal
1日あたりの赤字86,400 ÷ 365 ≒ 約237kcal
筋肉5kg増でまかなえる分13 × 5 = 65kcal(約27%)

※減った12kgのすべてが脂肪とは限らないので、あくまで上限の試算です。

つまり、仮に筋肉を5kg増やせていたとしても、必要な赤字の3割弱しか説明できません。残りの7割は食事と日々の活動量です。「筋トレしているから食べても大丈夫」という考え方が通用しないのは、この計算のためです。

では筋トレは無駄だったのかというと逆で、私が12kg落としたあと今も78kgを維持できているのは筋トレを続けているからだと思っています。食事制限だけで落とすと筋肉ごと減って、戻したときに脂肪だけが増えます。筋トレの役割は「落とすこと」ではなく「落とした後に戻らないこと」です。この話はリバウンドと筋肉の関係に詳しく書いています。

まとめ

  • ・筋肉1kgが増やす基礎代謝は1日約13kcal。5kg増やしても65kcalで、思っているより小さい
  • ・体重を落とす主役はあくまで食事。筋トレで代謝が激増するわけではない
  • ・筋トレの本当の役割は、減量中に筋肉を守り、落とした後に戻らない体にすること
  • ・筆者の12kg減も、計算上は筋肉の寄与では3割弱しか説明できない

期待値を正しく持てれば、続けられます。まずはカロリー計算機で自分の消費カロリーを把握し、サクトレで目標に合ったメニューを作成してみてください。

💪 一人で続ける自信がない方へ

「痩せやすい体質」をつくるには継続が命。一人で挫折しがちな人ほど伴走者がいると変わります。

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この記事を書いた人

motsu

筋トレ歴15年フィジーク大会入賞90kg→78kg(−12kg)

20代で体重90kg超の運動不足から一念発起。試行錯誤の末に大会入賞レベルまで体を変えた実体験をもとに発信しています。