コラム
ダンベルは何kgを買えばいい?体重別・種目別の目安一覧
この質問に「◯kgです」と1つの数字で答えている記事は、たいてい間違っています。必要な重さは種目によって3倍以上違うからです。
体重70kgの男性なら、サイドレイズは片手4kg、ワンハンドロウは中級者で片手31.5kg。同じ人の同じ日のトレーニングで、この差があります。
なので結論はこうなります。1つの重さを買うのではなく、幅を買う。男性なら片手31.5kg前後まで伸ばせるもの、女性なら片手16.5kg前後まで伸ばせるものを選べば、中級者になるまで買い替えずに済みます。まず種目別の目安を見てください。
種目別の目安(男性・体重70kgの場合)
条件をそろえます。すべてフォームを崩さず10回できる重さで、断りがなければ片手1個の重さです。1回だけ挙がる重さではありません。
| 種目 | 体重比 | 初心者 | 中級者 |
|---|---|---|---|
| ダンベルプレス | ×0.34 | 17.5kg | 23.5kg |
| ダンベルショルダープレス | ×0.25 | 10.5kg | 17.5kg |
| ワンハンドロウ | ×0.45 | 21kg | 31.5kg |
| ダンベルカール | ×0.20 | 8.5kg | 14kg |
| サイドレイズ | ×0.12 | 4kg | 8.5kg |
| ゴブレットスクワット1個を両手で | ×0.40 | 17.5kg | 28kg |
※ 体重比の列は中級者の値です。自分の体重を掛ければそのまま目安になります(例:体重80kgならワンハンドロウは 80 × 0.45 = 36kg)。
ダンベルプレスの数字だけは、BIG3の重量目安のベンチプレスの体重比から計算しています。サイト内でベンチとダンベルの目安が食い違わないようにするためです。
種目別の目安(女性・体重55kgの場合)
| 種目 | 体重比 | 初心者 | 中級者 |
|---|---|---|---|
| ダンベルプレス | ×0.20 | 7.5kg | 11kg |
| ダンベルショルダープレス | ×0.14 | 4.5kg | 7.5kg |
| ワンハンドロウ | ×0.30 | 11kg | 16.5kg |
| ダンベルカール | ×0.12 | 4kg | 6.5kg |
| サイドレイズ | ×0.07 | 2kg | 4kg |
| ゴブレットスクワット1個を両手で | ×0.30 | 10kg | 16.5kg |
女性の場合、最初に買うなら片手16.5kgまで対応できれば十分です。1kg刻みで細かく調整できるもののほうが、10kgまで一気に伸ばせるものより実用的です。上半身の種目は1kg増えるだけで回数が変わります。
サイドレイズが軽いのは、間違いではない
表を見て「サイドレイズが軽すぎる」と感じた人がいるはずです。これで合っています。
サイドレイズは肩の横の筋肉だけを、てこの長い姿勢で動かす種目です。ベンチプレスを120kg挙げる人でも、サイドレイズは片手10kg前後で組みます。重くすると体を振って持ち上げることになり、狙った筋肉から負荷が逃げます。
つまり「軽いダンベルは初心者用」ではありません。軽い重さでしか成立しない種目があるだけです。ここを誤解して2kgのダンベルを捨ててしまう人がいますが、サイドレイズやリアレイズでは何年やってもその近辺を使います。
固定式か、可変式か
| 種類 | 値段の目安 | いいところ | 弱点 |
|---|---|---|---|
| 固定式(1個1重量) | 1kgあたり300〜600円 | 安い・すぐ持てる・壊れない | 重さを変えるには買い足すしかない |
| 可変式(ダイヤル・ピン) | 2個で2〜5万円 | 1組で軽い重さから重い重さまで使える | 高い・落とすと壊れる・切り替えに数秒かかる |
| 可変式(プレート差し替え) | 2個で1〜2万円 | 安く重さを増やせる。プレートを買い足せる | 付け替えが手間・収納場所を取る |
はっきり言うと、固定式を1セットだけ買うのはおすすめしません。上の表のとおり、必要な重さは種目ごとに違い、しかも半年もすれば変わります。5kgのダンベルを2個買った人は、次にカールが10回できるようになった時点で買い足すことになります。
買うなら可変式で、片手31.5kg(女性なら16.5kg)まで伸ばせるもの。市販の可変式は24kgと32kgあたりが区切りになっているので、男性が上の表を最後まで使いたいなら32kgクラスです。予算を優先して24kgクラスにするなら、先に足りなくなるのはワンハンドロウとゴブレットスクワットの2種目だけだと分かったうえで選べます。プレート差し替え式なら、最初は軽いプレートだけ買って後から足す手もあります。
実際にどれを選ぶかまで決めたい人向けに、おすすめギアのページに「片手何kgまで伸ばせるか」で選んだ候補を3つ載せました(運営者はジム派で自宅用に買った経験がないため、使用感ではなくこの記事の目安に照らした選び方です)。
ただし可変式には弱点があります。落とすと壊れます。限界まで追い込んで手から落とす使い方をする種目(重いプレス系)では、この点が本当にリスクです。床を守るマットも一緒に用意してください。
買う前に:胸は、腕立てのほうが重い
これは知らずに買う人が多い話です。標準的な腕立て伏せで手にかかる荷重は、体重の約64%。体重70kgの人なら約45kgに相当します。
一方、片手20kgのダンベルを2個持ってプレスをしても合計40kg。つまり体重70kgの人にとっては、腕立て伏せ(約45kg相当)のほうが重いわけです。
胸だけが目的なら、ダンベルを買う前に足を台に乗せたデクラインの腕立てまでやってみてください。負荷の一覧は自宅でできる胸トレ完全ガイドに、自重の回数の目安は腕立て・懸垂は何回できれば普通?にまとめています。
逆にダンベルでしか作れないのは、背中と肩と腕です。自重では背中を引く動きがほとんど作れません(懸垂ができる環境があるなら別です)。買う理由はここにあります。
筆者(筋トレ歴15年)の立場
先に正直に書いておくと、私は15年ずっとジム派で、自宅用のダンベルを買ったことがありません。なのでこの記事に「この商品を使っています」という話は出てきません。書けるのは、ジムで毎週いろいろな重さを持ってきた側から見た「どの種目にどれだけ要るか」です。
その立場から1つだけ言うなら、見るべきは最大重量ではなく「刻みと幅」です。上の表のとおり、軽い側は思ったより軽く(サイドレイズは片手4kg)、重い側は思ったより重い(ワンハンドロウは中級者で31.5kg)。1つの重さで全部をまかなえる買い方は、最初から存在しません。
よくある質問
1個だけ買えばいいですか?
2個です。ワンハンドロウのように片手ずつやる種目もありますが、プレスやショルダープレスは左右同時に持ちます。1個だと組めない種目のほうが多いです。
まったくの初心者は何kgから始めればいいですか?
上の表の「初心者」の列が目安です。ただし最初の1回は表より軽い重さでフォームを覚えてください。重さを決めるのは、10回やって2〜3回余裕が残るかどうかです(初心者が最初にやるべき5つのこと)。
ダンベルだけで体は変わりますか?
変わります。ただし脚だけは早い段階で足りなくなります。ゴブレットスクワットは片手ではなく1個を両手で持つ種目なので、上の表でも重さが頭打ちになります。脚は自重の種目(ブルガリアンスクワットなど)で回数と可動域を増やすほうが現実的です。
重さを上げるタイミングは?
決めた回数を全セットで達成できた次の回です。10回3セットが目標なら、3セット目まで10回できた日の次から重くします。可変式なら2.5kg刻み、軽い種目なら1kg刻みで十分です。
マンションでも大丈夫ですか?
床に置く音が問題になります。厚めのマットは必須で、そのうえで「床に落とさない種目」を選んでください。寝て行うプレス系より、立って行うショルダープレスやカール、ロウのほうが安全です。
まとめ
- ▸ 必要な重さは種目で3倍以上違う。1つの数字で答えられる質問ではない
- ▸ 体重70kgの男性なら片手31.5kgまで、女性(体重55kg)なら16.5kgまで伸ばせれば中級者まで持つ
- ▸ 固定式を1セットだけ買うと数ヶ月で足りなくなる。買うなら幅のあるもの
- ▸ サイドレイズが軽いのは正常。軽い重さでしか成立しない種目がある
- ▸ 胸は腕立て(体重の約64%)のほうが重い。買う価値が高いのは背中・肩・腕
重さが決まったら、あとは今日やる種目を決めるだけです。自宅・ダンベルありの条件で質問に答えれば、その日の1回分のメニューが出てきます。
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この記事を書いた人
motsu
20代で体重90kg超の運動不足から一念発起。試行錯誤の末に大会入賞レベルまで体を変えた実体験をもとに発信しています。