コラム
筋トレ前後のストレッチの効果とやり方
筋トレの効果を高め、怪我を予防するために欠かせないのがストレッチです。しかし、「筋トレ前と後でどんなストレッチをすればいいの?」「そもそもストレッチって本当に必要?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。この記事では、筋トレ前後のストレッチの効果と具体的なやり方を解説します。
2種類のストレッチを使い分ける
ストレッチには大きく分けて「動的ストレッチ(ダイナミックストレッチ)」と「静的ストレッチ(スタティックストレッチ)」の2種類があります。それぞれ効果と適したタイミングが異なるため、正しく使い分けることが重要です。
| 動的ストレッチ | 静的ストレッチ | |
|---|---|---|
| やり方 | 動かしながら伸ばす | 止めた姿勢で伸ばす |
| タイミング | 筋トレ前 | 筋トレ後・入浴後 |
| 1部位の目安 | 10〜15回 | 20〜30秒 |
| 直後の筋力 | 維持〜向上 | 一時的に低下する |
| 主な狙い | 可動域・筋温を上げる | 柔軟性を伸ばす |
注目してほしいのは4行目です。静的ストレッチを筋トレの直前に長くやると、そのあとの筋力が一時的に落ちることがわかっています。特に1部位を60秒以上伸ばした場合に顕著だと報告されています。「トレーニング前は念入りに伸ばすもの」と思っている人が多いのですが、少なくとも高重量を扱う直前には向きません。
「ストレッチをサボると怪我をする」のではなく、前にやるものと後にやるものが違うだけです。前は動的、後は静的。これだけ覚えておけば十分です。
筋トレ前:動的ストレッチ
筋トレ前には動的ストレッチを行いましょう。体を動かしながら筋肉を温めることで、トレーニングのパフォーマンスが向上し、怪我のリスクを下げられます。
動的ストレッチの効果
筋温が上がり、筋肉が動きやすくなる
関節の可動域が広がり、正しいフォームで動ける
心拍数が徐々に上がり、体がトレーニングモードに入る
神経系が活性化し、筋力を発揮しやすくなる
おすすめの動的ストレッチメニュー(5分)
1. アームサークル
両腕を大きく前後に回します。前回し10回、後ろ回し10回で肩周りをほぐします。
2. レッグスイング
壁に手をついて立ち、片脚を前後に大きく振ります。左右各10回ずつ行い、股関節の可動域を広げます。
3. トランクツイスト
足を肩幅に開いて立ち、上半身を左右にひねります。腕を水平に広げて10〜15回繰り返し、体幹をほぐします。
4. ウォーキングランジ
大きく一歩前に踏み出してランジの姿勢を取り、交互に歩きます。左右合わせて10歩で下半身全体を活性化します。
5. バットキック
その場で軽くジョグしながら、かかとをお尻に近づけるように蹴り上げます。20回行い、太もも前面を温めます。
筋トレ後:静的ストレッチ
筋トレ後には静的ストレッチを行いましょう。トレーニングで緊張した筋肉をゆっくり伸ばすことで、回復を促進し、翌日の筋肉痛を軽減できます。
静的ストレッチの効果
筋肉の緊張をほぐし、リラックスさせる
血流を促進し、老廃物の排出を助ける
柔軟性を向上させ、怪我のリスクを減らす
筋肉痛を軽減する効果が期待できる
おすすめの静的ストレッチメニュー(5〜10分)
1. 胸のストレッチ
壁に手をつき、体を反対側にひねって胸を開きます。左右各20〜30秒キープします。
2. 肩・背中のストレッチ
片腕を胸の前に伸ばし、もう一方の腕で手前に引き寄せます。左右各20〜30秒で肩と背中をほぐします。
3. 太もも前面のストレッチ
片足を後ろに曲げてつかみ、かかとをお尻に近づけます。壁に手をついてバランスを取り、左右各20〜30秒行います。
4. 太もも裏面のストレッチ
床に座り、片脚を伸ばしてつま先に向かって上体を倒します。無理のない範囲で左右各20〜30秒キープします。
5. お尻のストレッチ
仰向けに寝て、片膝を反対側の胸に向かって引き寄せます。左右各20〜30秒で臀部をしっかり伸ばします。
よくある3つの誤解
ストレッチは「やっておけば間違いない」と思われがちですが、実際には効果が誤解されている部分があります。
| よく言われること | 実際のところ |
|---|---|
| トレ前に念入りに伸ばすほど怪我をしにくい | 直前の長い静的ストレッチは筋力を一時的に下げる。前は動的にする |
| ストレッチをすれば筋肉痛を防げる | 軽減効果はごくわずかという報告が多い。期待しすぎない |
| 体が硬いと筋トレを始められない | 必要な可動域は種目ごとに違う。硬くてもできる種目から始めればいい |
では静的ストレッチは無駄なのかというと、そうではありません。柔軟性そのものを伸ばす効果は確かにあります。ただしそれは「筋肉痛予防」ではなく「可動域を広げてフォームを作りやすくする」という別の効果です。狙いを取り違えなければ十分に価値があります。
私は40代で週5回トレーニングしていますが、年齢が上がるほどウォームアップを削ったときのリスクは上がります。関節の違和感は放置すると数週間から数ヶ月の離脱に直結するので、時間がない日は種目数を減らしてでもウォームアップは残すという順番にしています。回復の判断基準は休息の重要性にまとめています。
まとめ
- ・前は動的(動かしながら10〜15回)、後は静的(止めて20〜30秒)
- ・高重量の直前に長い静的ストレッチをすると、筋力が一時的に落ちる
- ・静的ストレッチの価値は筋肉痛予防ではなく、柔軟性と可動域のほう
- ・体が硬くても始められる。硬さは始めない理由にならない
- ・時間がない日は、種目を削ってでもウォームアップは残す
ストレッチを含めたトータルの時間を考えてメニューを組みたいときは、サクトレで所要時間に合わせたメニューを作成できます。フォームが固まるまでの重量設定は適正重量チェッカーを使ってください。
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この記事を書いた人
motsu
20代で体重90kg超の運動不足から一念発起。試行錯誤の末に大会入賞レベルまで体を変えた実体験をもとに発信しています。