コラム
腕を太くする筋トレ|二頭より三頭を優先すべき理由
腕を太くしたい人の多くが、力こぶ(上腕二頭筋)を鍛えています。ダンベルカール、バーベルカール、また次の日もカール。
ですが太さを決めているのは、その裏側です。上腕の筋肉のうち、およそ3分の2は三頭筋(腕の裏)が占めています。二頭筋は残りの3分の1ほどです。
つまり腕の太さを1cm増やしたいなら、力こぶではなく裏側を鍛えるほうが近道ということになります。半袖から見えているのも、実は腕の裏側の面積のほうが大きいはずです。
三頭筋の種目(優先)
| 種目 | 特徴 | 場所 |
|---|---|---|
| ナローグリップベンチプレス | 最も重い重量を扱える。三頭を太くする軸の種目 | ジム |
| ディップス | 自重で高負荷。体を立てるほど三頭に寄る | ジム・公園 |
| ライイングトライセプスエクステンション | 肘を固定して伸ばす。長頭(内側の大きい部分)に効く | ジム・自宅 |
| トライセプスプッシュダウン | 仕上げ向き。フォームが崩れにくく初心者でも効かせやすい | ジム |
| ダイヤモンドプッシュアップ | 器具なしで三頭を狙える。自宅の第一候補 | 自宅 |
この中で優先度が高いのは、重い重量を扱える種目です。ナローグリップベンチプレスとディップスは、プッシュダウンの何倍もの負荷をかけられます。仕上げの種目から始めないのが大事で、これは筋トレの順番の原則そのままです。
二頭筋の種目
| 種目 | 特徴 | 場所 |
|---|---|---|
| バーベルカール | 重量を伸ばしやすい。二頭の基本種目 | ジム |
| インクラインダンベルカール | 肘が体の後ろに来るので、二頭を大きく伸ばせる | ジム・自宅 |
| ハンマーカール | 腕橈骨筋を使う。前腕まで含めた太さが出る | ジム・自宅 |
| コンセントレーションカール | 反動を使えない姿勢。効かせる感覚を覚えるのに向く | ジム・自宅 |
二頭は重さより、伸ばしてから曲げることで決まります。体の横で曲げるより、肘が後ろに来るインクラインカールのほうが可動域が広く取れます。カールで扱う重さの目安は、体重70kgの男性で初心者が片手8.5kg、中級者で14kg(どちらも反動なしで10回)です。他の種目の目安はダンベルは何kgを買えばいい?にまとめています。
そもそも「腕の日」は必要か
これは正直に書いておきます。初心者のうちは、腕だけの日は要りません。
ベンチプレスでは三頭筋が、背中のロウや懸垂では二頭筋が、すでに一緒に働いています。胸と背中をしっかりやっていれば、腕には自動的に刺激が入っているということです。腕の日を足すのは、胸と背中のメニューが固まってからで間に合います。
頻度の目安としては、腕は小さい筋肉なので回復は約48時間、間隔は中1〜2日です。ただし胸の日にも背中の日にも使われている点に注意してください。腕トレを週3回入れると、実際には週5回使っていることになりがちです(分割法の早見表)。
腕は、太くなるのが遅い
期待値の話をしておきます。初心者が1ヶ月で増やせる筋肉はよくて0.5kg、そのうち腕2本に回るのはせいぜい2割(100g)です。上腕の太さに直すと1ヶ月で数mmにしかなりません。
計算の中身は筋トレの効果はいつから出る?に書きましたが、結論だけ言えば腕はメジャーで測らないと変化が分からない部位です。鏡で見て変わらないからといって、やり方が間違っているわけではありません。
逆に短期間で腕まわりが変わったように見えるときは、脂肪が落ちたかトレーニング直後で張っているかのどちらかです。前者は続ければ本物になります。
よくある失敗
- ▸ カールしかやらない:太さの3分の2を占める側を放置している状態。三頭を先に入れる
- ▸ 重すぎて体を振る:反動で上げた分は腕の仕事ではありません。肘の位置が動いたら重すぎ
- ▸ 毎日腕トレ:胸・背中の日にも使われているので、実質は毎日2回分。伸びる前に潰れます
- ▸ プッシュダウンから始める:仕上げ種目で疲れてから重い種目に入ると、どちらも中途半端になります
筆者(筋トレ歴15年・フィジーク大会入賞)の場合
私はフィジーク志向で上半身を優先してきました。ベンチプレスの自己ベストは120kgです。ここで腕について正直に書くと、腕が育った時期は「腕トレを増やした時期」ではありませんでした。ベンチプレスとディップスの重量が伸びた時期です。
三頭筋は胸を押す動きに必ず参加するので、胸が強くなると勝手に太くなります。逆に、腕の日だけを熱心にやっていた時期は、疲れてベンチの重量が落ち、結果として腕も止まりました。腕は、腕だけを見ていると伸びにくい部位だと思っています。
よくある質問
自宅でも腕は太くできますか?
できます。三頭はダイヤモンドプッシュアップとディップス(椅子2脚でも可)、二頭はダンベルカールでまかなえます。ただし二頭は自重で負荷をかけにくいので、ダンベルがあると話が早いです。
何回・何セットやればいいですか?
腕は小さい筋肉なので、1種目3セット、三頭2種目・二頭1〜2種目で十分です。回数は8〜12回。これ以上増やしても、回復が追いつかないぶん無駄になります。
前腕も鍛えるべきですか?
専用の種目は優先度が低いです。ハンマーカールとロウ系の種目で自然に育ちます。握力で先に限界が来るならパワーグリップを使うほうが早いです。
女性が腕を鍛えると太くなりますか?
いわゆる「たくましい腕」にはなりません。理由はホルモンの差で、女性が筋トレしても太くならない理由に書いています。二の腕を引き締めたい場合も、鍛えるのは三頭筋のほうです。
まとめ
- ▸ 上腕の3分の2は三頭筋。太くしたいならカールより先に裏側
- ▸ 三頭は重い種目(ナローベンチ・ディップス)が軸。プッシュダウンは仕上げ
- ▸ 二頭は重さより伸ばしてから曲げる。肘が動いたら重すぎ
- ▸ 初心者に腕の日は不要。胸と背中の日で先に刺激が入っている
- ▸ 変化は1ヶ月で数mm。鏡ではなくメジャーで測る
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この記事を書いた人
motsu
20代で体重90kg超の運動不足から一念発起。試行錯誤の末に大会入賞レベルまで体を変えた実体験をもとに発信しています。