コラム
トレーニングベルトはいつから必要?何kgから使うかを体重別に
結論から書きます。トレーニングベルト(リフティングベルト・パワーベルト)は、スクワットとデッドリフトで体重×1.5を超えたあたりから検討すれば十分です。体重70kgの人なら105kg。それより軽いうちは、急いで買う必要はありません。
「ジムで周りが巻いているから」「腰が心配だから」で最初から買う人は多いのですが、軽い重量のうちはベルトなしで腹圧を作る練習をしておくのがおすすめです。この記事では、いつから要るのか、どの種目で要るのか、何を選んでどう締めるかを順に書きます。
体重別・ベルトを検討し始める重量
| 体重 | 検討し始める重量(×1.5) |
|---|---|
| 50kg | 75kg |
| 60kg | 90kg |
| 70kg | 105kg |
| 80kg | 120kg |
| 90kg | 135kg |
| 100kg | 150kg |
※ スクワット・デッドリフトとも、1回だけ挙がる重量(1RM)での目安です。「◯kgを◯回」の記録しかない場合は、1RM換算ツールを使ってください。たとえば90kgを5回なら、1RMは約105kg。体重70kgならちょうど検討ラインです。
同じ体重×1.5でも、種目によって位置づけは違います。スクワットでは中級者、デッドリフトでは初心者の位置にあたります。デッドリフトのほうが早い段階でこの重量に届くので、ベルトが必要になるのも、たいていデッドリフトが先です。自分が今どの位置にいるかはスクワット◯kgはすごい?とデッドリフト◯kgはすごい?の判定表で調べられます。
そもそもベルトは何をする道具か
ベルトは「腰を外から固めて守る」道具だと思われがちですが、実際の役割は少し違います。お腹に空気を入れて内側から張る力(腹圧)を押し返す壁です。ベルトに向かってお腹を膨らませることで、体幹が固まりやすくなります。
つまり巻くだけでは効果を引き出せません。息を吸ってお腹をベルトに押しつける動きが身についていないと、せっかくの壁を使い切れません。軽い重量のうちにベルトなしで練習してほしいのは、このためです。
なお体重×1.5は、研究で決まった境目ではありません。ベルトを検討し始めるラインとしてよく言われる、経験則の目安です。扱う重量が体重を大きく超えてくるこのあたりから、腹圧を保てるかどうかが、挙がる重量を左右しやすくなります。
種目ごとに、先にそろえる道具は違う
| 種目 | 重くなると先に限界が来るところ | 先にそろえる道具 |
|---|---|---|
| スクワット | 腰・体幹がきつくなりやすい | ベルト |
| デッドリフト | 握力が尽きる → 次に腰 | パワーグリップ → ベルト |
| ベンチプレス | 手首が反って痛む | リストラップ(ベルトは後回し) |
| マシン・ダンベル | 腰・体幹が限界になりにくい | 基本的に要らない |
ポイントはベンチプレスにベルトはほぼ要らないことです。ベンチで道具が助けになるのは、腰ではなく手首です。重くなると反りやすくなる手首を、リストラップで支えます。ベンチの重量の目安はベンチプレスの平均は何kg?にまとめています。
デッドリフトは、腰より先に握力で止まる人が多い種目です。その場合は、ベルトの前にパワーグリップをそろえてください。ストラップやパワーグリップを使った記録で判定してよいかはデッドリフト◯kgはすごい?に書きました。
デッドリフトで握力が先に尽きるならパワーグリップ、ベンチで手首が反るならリストラップから。
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ナイロンか、革か
1本目はナイロン(面ファスナーで留めるタイプ)で十分です。軽くて着脱が速く、締める強さも細かく変えられます。セットのたびに付け外しするので、この手軽さは思った以上に大事です。
革は、ナイロンだとベルトがお腹の張りに押し負ける感覚が出てきたら考えれば間に合います。硬いぶん押し返す力は強いのですが、慣れるまでは締める強さを細かく変えにくく、腹圧の入れ方を覚える1本目としては扱いにくいことがあります。
体重×1.5を超えたら、まずナイロンの1本から。ベルトがお腹の張りに負けるようになったら革に替える、の順番で十分です。
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締める位置と強さ
- ▸ 位置:へその高さを中心に、骨盤と肋骨の間に収める。下すぎるとしゃがんだときに太ももに当たる
- ▸ 強さ:息を吸ってお腹を張ったときに、ベルトを内側から押し返せる程度。苦しくて息が吸えないのは締めすぎ
- ▸ 使う場面:その日のメインの重いセット(限界に近い回数まで追い込むセット)だけ。ウォームアップや軽いセットでは外して、ベルトなしで腹圧を作る練習を続ける
- ▸ 緩めるタイミング:セットが終わったらすぐ緩める。締めっぱなしにする道具ではない
- ▸ 注意:ベルトを締めて息をこらえると、ベルトなしのときより血圧が上がりやすくなります。血圧が高い人、心臓や血管の持病がある人は、使う前に医師に相談してください
筆者(筋トレ歴15年・フィジーク大会入賞)の場合
私のベルトはALLOUTです(パワーグリップとリストラップもALLOUTでそろえています)。自己ベストはスクワット120kg・デッドリフト160kgで、どちらも体重80kg台の頃の記録です。正確な体重は残っていないので、ここでは体重85kgとして計算します。検討ラインは127.5kgです。
デッドリフトは検討ラインを大きく超えていて、スクワットはその手前という計算になります。表の下で「たいていデッドリフトが先」と書いたのは、まさにこのケースです。両方の種目で同時に必要になるとは限らないので、自分の数字でも一度計算してみてください。
よくある質問
ベルトを使うと体幹が弱くなりませんか?
研究で確かめられた話ではありませんが、重いセットだけに使い、ウォームアップや軽いセットではベルトなしで腹圧を作る練習を続けていれば、心配は小さいと考えられます。避けたいのは全セットで巻きっぱなしにすることです。
ベルトを巻けば腰痛は防げますか?
ベルトは腹圧を作りやすくする道具で、腰痛を防ぐ保証にはなりません。背中が丸まるフォームのままなら、ベルトがあっても腰に負担がかかります。巻くと重さに耐えられる気がして、フォームが崩れる重量まで上げてしまいやすい点にも気をつけてください。腰に痛みやしびれが出ているときは、ベルトで押し切らずに休んでください。しびれが脚に広がるときや、痛みが数日たっても治まらないときは、整形外科で診てもらってください。筋肉痛との見分け方は筋肉痛でも筋トレしていい?にあります。
女性も同じ目安でいいですか?
この目安は男女で分けていません。ただ女性の場合、同じ体重×1.5でもスクワットでは上級者、デッドリフトでは中級者の位置にあたるため、届くまでにかなり時間がかかります。体重×1.5に届くのを待つより、自分にとって重いセットで、フォームは保てているのにお腹の張りが抜けて腰が先に疲れると感じたら検討を始めてください。これは男性も同じで、表の重量はあくまで目安です。
ベルトを使った記録と使わない記録は、比べていいですか?
ベルトありの記録となしの記録は、比べないでください。使い始めた日から、記録に「ベルトあり」と書いて区別しておくのが基本です。ありはあり同士、なしはなし同士で比べれば、伸びたのか道具が変わっただけなのかを取り違えません。
まとめ
- ▸ ベルトはスクワット・デッドリフトで体重×1.5を超えたあたりから検討する
- ▸ 役割は腹圧を押し返す壁。巻くだけでは効果を引き出せない
- ▸ ベンチプレスはリストラップ、デッドリフトはパワーグリップが先になることが多い
- ▸ 1本目はナイロン。ベルトがお腹の張りに負けるようになったら革
- ▸ 使うのは重いセットだけ。腰痛を防ぐ保証にはならない
ベルト以外の道具も含めた一覧はおすすめトレーニングギアにまとめています。BIG3全体での自分の位置はBIG3の体重別早見表で確かめられます。
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この記事を書いた人
motsu
20代で体重90kg超の運動不足から一念発起。試行錯誤の末に大会入賞レベルまで体を変えた実体験をもとに発信しています。