コラム
ベンチプレスの平均は何kg?体重別・トレ歴別の目安一覧
「ベンチプレスの平均って何kgなんだろう」。この検索をする人が本当に知りたいのは平均値そのものではなく、自分は上のほうなのか、下のほうなのかだと思います。
先に結論を書きます。ベンチプレスに「全国平均◯kg」と言える信頼できる統計はありません。ネットで見かける「日本人男性の平均は40kg」といった数字は、ほとんどが出典のない引用の連鎖です。そもそも「ジムに通ったことがない人」まで含めた平均に、あなたが自分を比べる意味はありません。
代わりに世界共通で使われているのが体重比(体重の何倍を挙げられるか)です。体重55kgの人の70kgと、体重90kgの人の70kgは、まったく意味が違うからです。この記事では体重別・トレーニング歴別・男女別の目安をすべて表にしました。自分の行を探してください。
先に知っておくこと
以下の表はすべて1RM(1回だけ挙げられる最大重量)です。「10回挙げられる重量」とは別物なので、比べる前に換算してください。実際に1回の限界に挑戦するのは危険なので、RM計算機を使うか、この記事の換算表を見るのが安全です。
体重別・ベンチプレスの目安一覧(男性)
自分の体重の行を見てください。左から順に、初めてバーベルを握る段階 → ジムに通い慣れた段階 → 一目置かれる段階という並びです。
| 体重 | 未経験 | 初心者 | 中級者 | 上級者 | エリート |
|---|---|---|---|---|---|
| 体重比 | ×0.5 | ×0.75 | ×1.0 | ×1.25 | ×1.5 |
| 50kg | 25kg | 38kg | 50kg | 63kg | 75kg |
| 60kg | 30kg | 45kg | 60kg | 75kg | 90kg |
| 70kg | 35kg | 53kg | 70kg | 88kg | 105kg |
| 80kg | 40kg | 60kg | 80kg | 100kg | 120kg |
| 90kg | 45kg | 68kg | 90kg | 113kg | 135kg |
| 100kg | 50kg | 75kg | 100kg | 125kg | 150kg |
- 未経験(体重×0.5):はじめてバーベルを握る段階
- 初心者(体重×0.75):数ヶ月続ければ届く
- 中級者(体重×1.0):体重と同じ重さ。最初の大きな壁
- 上級者(体重×1.25):ジムで一目置かれるライン
- エリート(体重×1.5):競技志向の領域
目安として使いやすいのは「体重と同じ重さ(×1.0)が中級者」という基準です。体重70kgならベンチ70kg。ここがベンチプレスで最初にぶつかる大きな壁で、ジムに通う人の多くが目標にするラインでもあります。
逆に言えば、体重の0.75倍(体重70kgなら約53kg)に届いていれば、もう「初心者」の枠です。40kgや50kgで止まっていることを気にしている人は多いのですが、体重比で見ると思っているより悪くない位置にいることがよくあります。
トレーニング歴別に見た場合の目安
「何年やったら何kg」を知りたい人向けに、体重70kgを例にして期間の目安を並べます。
| レベル | トレ歴の目安 | 体重70kgなら | 次のレベルまで |
|---|---|---|---|
| 未経験 | 〜6ヶ月 | 35kg | 約6ヶ月〜1年 |
| 初心者 | 6ヶ月〜2年 | 53kg | 約1〜2年 |
| 中級者 | 2〜5年 | 70kg | 約3〜5年 |
| 上級者 | 5年以上 | 88kg | 数年〜(到達者はごく一部) |
| エリート | 競技志向 | 105kg | — |
ここで気づいてほしいのは、1レベル上がるのに必要な重量は毎回同じ(体重×0.25=70kgの人なら+17.5kg)なのに、かかる期間だけが伸びていくことです。未経験から初心者までは半年〜1年、初心者から中級者は1〜2年、中級者から上級者は3〜5年。
同じ距離を進むのに時間がかかるようになるだけで、あなたのペースが落ちたわけではありません。停滞していると感じたときに、まず思い出してほしい事実です。
女性のベンチプレスの目安
女性の場合、目安は男性と同じ表では測れません。ベンチプレスはBIG3の中で男女差が最も大きい種目だからです。
| 体重 | 初心者 | 中級者 | 上級者 |
|---|---|---|---|
| 体重比 | ×0.4 | ×0.6 | ×0.8 |
| 45kg | 18kg | 27kg | 36kg |
| 50kg | 20kg | 30kg | 40kg |
| 55kg | 22kg | 33kg | 44kg |
| 60kg | 24kg | 36kg | 48kg |
| 65kg | 26kg | 39kg | 52kg |
- 初心者(体重×0.4):バーベル(20kg)だけでも十分な段階
- 中級者(体重×0.6):上半身で最も伸びにくい種目
- 上級者(体重×0.8):続けている女性でも到達者は多くない
同じレベル名で比べると、女性の体重比は男性の約60%です(中級者:男性×1.0に対し女性×0.6)。これは努力の差ではなく、上半身の筋量の付き方の差です。
もうひとつ、女性が知っておくべき現実があります。シャフト単体が20kgあるので、体重50kgの女性にとってはバーだけで既に体重×0.4=「初心者」の水準です。つまりバーを10回挙げられる時点で、スタート地点はクリアしている。ここを知らずに「バーしか挙がらない」と落ち込む人がとても多いので、最初に書いておきます。
女性の筋トレ全般については女性が筋トレしても太くならない理由も合わせてどうぞ。
年齢別の平均は、あえて出しません
「40代の平均」「50代の平均」を探している人も多いと思いますが、年齢別の信頼できるベンチプレス統計は存在しません。年代別の数字を出しているサイトはありますが、根拠が示されているものはほとんど見たことがありません。
実務的には、年齢で目標重量を下げるのではなく、到達までの期間を長く見るほうが実態に合います。40代・50代から始めても筋力は伸びます。ただし回復に時間がかかるので、週の頻度と睡眠の確保のほうが先に効いてきます。
詳しくは40代からの筋トレ入門に書きました。
今の重量から1RMを出す換算表
ここまでの表と比べるには、自分の1RMが必要です。「◯kgを◯回」から換算した推定値を表にしました。縦が今扱っている重量、横が挙がる回数です。
| 重量\回数 | 1回 | 3回 | 5回 | 8回 | 10回 | 12回 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 40kg | 40kg | 44kg | 47kg | 51kg | 53kg | 56kg |
| 50kg | 50kg | 55kg | 58kg | 63kg | 67kg | 70kg |
| 60kg | 60kg | 66kg | 70kg | 76kg | 80kg | 84kg |
| 70kg | 70kg | 77kg | 82kg | 89kg | 93kg | 98kg |
| 80kg | 80kg | 88kg | 93kg | 101kg | 107kg | 112kg |
| 90kg | 90kg | 99kg | 105kg | 114kg | 120kg | 126kg |
| 100kg | 100kg | 110kg | 117kg | 127kg | 133kg | 140kg |
※ 計算式は 1RM = 重量 ×(1 + 回数 ÷ 30)。回数が多いほど誤差が大きくなるので、6回以下で計算するのが正確です。
たとえば60kgを10回挙げられるなら1RMは約80kg。体重70kgの人なら体重比×1.14で、表の「初心者(×0.75)」をとうに超えて「中級者(×1.0)」も超えています。10回挙がる重量だけを見て自分を低く見積もっている人は、本当に多いです。
筆者の場合:60kg×2回から120kgまで
参考までに、筆者自身(筋トレ歴15年・フィジーク大会入賞)の数字を出しておきます。始めた頃のベンチプレスは60kgで2〜3回。1RMに換算すると65kg程度です。そこから自己ベストは120kg(体重80kg台なので体重比は約1.4倍)。
この15年で一番効いた要因を正直に書くと、新しいメニューでもサプリでもなく、ジムを変えたことでした。移った先で補助についてもらえるようになり、フォームも見てもらえた。それだけで数字が動きました。
理由は単純で、補助者がいないと、人は限界の手前で止めてしまうからです。潰れたら戻せないという恐怖があるうちは、本当の限界には触れられません。独学で停滞しているなら、種目やメニューを変える前に「見てもらえる環境」を疑ってみてください。器具や知識より、人が効きます。
なお、BIG3全体で見ると筆者はスクワットも同じ120kg(体重比×1.4)で、上半身に明らかに偏っています。3種目のバランスまで含めた話はBIG3の重量目安一覧に書きました。
平均を超えたいときの優先順位
頻度を週2回に固定する。ベンチプレスは伸びが遅い種目なので、週1回では刺激が足りません。週に何回筋トレすればいい?
重量より先にフォームを固める。肩甲骨を寄せて胸を張る、足で床を押す。ここが崩れたまま重量を足しても、伸びる前に肩を痛めます。
食べる量を確認する。体重が増えていない時期は、ベンチプレスも基本的に伸びません。タンパク質の必要量
限界を見てもらえる環境を作る。補助者か、パワーラックのセーフティ。これが最後にして最大の一手です。
自宅派の人は自宅でできる胸トレも参考にしてください。
よくある質問
ベンチプレス60kgは平均より上ですか?
体重によります。体重60kgなら×1.0で中級者、体重80kgなら×0.75で初心者の水準です。同じ60kgでも評価は変わります。ただしこれは1RMでの話なので、「60kgを10回」なら1RMは約80kgとして読んでください。
初心者は何kgから始めればいいですか?
シャフト(20kg)だけで10回、フォームを崩さずにできるところからです。重量を足すのはその後で十分間に合います。
体重100kgでベンチ100kgは普通ですか?
体重比×1.0なので中級者の水準です。数字だけ見ると大きいので「すごい」と言われがちですが、体重で割ると位置は変わります。この表を体重比で作っている理由がここにあります。
自分のレベルをまとめて知りたい
体重とレベルを選ぶだけでBIG3の目標重量が出る筋トレレベル診断を用意しています。
まとめ
- ▸ 出典のある「全国平均」は存在しない。比べるなら体重比で見る。
- ▸ 男性は体重×1.0が中級者、×0.75で既に初心者の枠。女性はその約60%(中級者×0.6)。
- ▸ 比べる前に1RMへ換算する。60kg×10回なら約80kg。低く見積もっている人が多い。
- ▸ 1レベル上がる重量は毎回同じ(体重×0.25)で、かかる期間だけが伸びる。ペースが落ちたわけではない。
まずは今の重量から1RMを換算して、自分の行を確認してみてください。次の行までの距離が数字で見えた瞬間、ベンチプレスは「なんとなく続けるもの」から「計画」に変わります。
🧮 自分の1RMを計算する
今の重量と回数を入れるだけ。表のどこにいるかがすぐわかります →
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この記事を書いた人
motsu
20代で体重90kg超の運動不足から一念発起。試行錯誤の末に大会入賞レベルまで体を変えた実体験をもとに発信しています。