サクラサクトレ

コラム

デッドリフトの平均は何kg?体重別・トレ歴別の目安一覧

デッドリフトはBIG3の中で一番大きな数字が出る種目です。ジムで「100kg引けた」と聞くと、ベンチプレスの100kgと同じ感覚で受け取ってしまいますが、この2つはまったく別の水準の話です。

先に結論を書きます。デッドリフトに「全国平均◯kg」と言える信頼できる統計はありません。ベンチプレスと同じで、ネットの数字はほとんどが出典のない引用の連鎖です。代わりに世界共通で使われているのが体重比で、デッドリフトの中級者ラインは体重の2.0倍。体重70kgなら140kgです。

ただしデッドリフトには、比べる前に揃えないといけない条件が他の2種目より多くあります。そこから先に片づけます。

先に知っておくこと

以下の表はすべて1RM(1回だけ引ける最大重量)です。「10回引ける重量」とは別物なので、比べる前に換算してください。デッドリフトで1回の限界に挑戦するのは腰のリスクが大きいので、RM計算機か、この記事の換算表で推定するほうが安全です。

その数字、どのデッドリフトですか?

「デッドリフト」という1語がいくつもの動作を指しています。引く距離が変われば数字も変わるので、比べる前に自分がどれをやっているか確認してください。

種類引き方表と比較補足
コンベンショナル床から。足は腰幅、手は足の外側この記事の表の基準
スモウ足を大きく開き、手は足の内側引く距離が短いぶん数字が上ぶれする
トラップバー(ヘックスバー)六角形のバーの中に立って引く重心が体の真下に来るぶん有利
ラックプル・ハーフデッド膝上など、床より高い位置から引く×一番きつい範囲を飛ばしている
スミスマシンバーの軌道が固定されるバランスを取らずに済むぶん上ぶれする
バックエクステンション等マシンで背中を反らせる×別種目。持ち込まない

※ 補正して比べる方法はあえて書きません。根拠のある換算係数が存在しないからです。「基準を揃えて測り直す」ほうが確実です。

プレートが小さいと、同じ重量でもきつくなる

意外と知られていない条件がもう1つあります。バーの高さはプレートの直径で決まるということです。

ジムの20kgプレートは直径45cmが標準で、これを付けたときのバーの高さが「床から引く」の基準になっています。ところが軽いプレートは直径も小さいので、たとえば10kgプレート2枚(=合計40kg)で引くと、バーが数cm低い位置から始まります。引く距離が伸びるぶん、同じ重量でもきつくなる。

つまり始めたばかりの軽い重量のほうが、実は不利な条件で引いていることになります。「軽いのに全然上がらない」と感じるのは気のせいではありません。ジムに大きい直径の軽量プレート(いわゆるバンパープレート)があるなら、そちらを使ってください。

ストラップを使った数字は、ズルではない

デッドリフトは背中や脚より先に握力が限界になる種目です。そのため、パワーグリップやストラップを使うと数字が伸びます。

競技の基準では補助具なしですが、自分の現在地を測るだけならどちらでも構いません。大事なのは毎回同じ条件で測ることです。握力が理由で伸びが止まっているなら、それは背中を鍛え損ねているのと同じなので、道具を使ったほうが筋肉は育ちます。

体重別・デッドリフトの目安一覧(男性)

自分の体重の行を見てください。コンベンショナル(床から)での1RMが基準です。

体重未経験初心者中級者上級者エリート
体重比×1.0×1.5×2.0×2.5×3.0
50kg50kg75kg100kg125kg150kg
60kg60kg90kg120kg150kg180kg
70kg70kg105kg140kg175kg210kg
80kg80kg120kg160kg200kg240kg
90kg90kg135kg180kg225kg270kg
100kg100kg150kg200kg250kg300kg
  • 未経験(体重×1.0背中を丸めないことが全て
  • 初心者(体重×1.5BIG3で最も伸びが速い
  • 中級者(体重×2.0体重の2倍
  • 上級者(体重×2.5ベルトとグリップが必須に
  • エリート(体重×3.0競技志向の領域

覚えやすい基準は「体重の2倍が中級者」です。体重70kgなら140kg。ベンチプレスの「体重と同じ重さ」と比べると倍の数字ですが、デッドリフトはそういう種目だというだけで、難易度が2倍なわけではありません。

もうひとつ、デッドリフトには他の2種目にない特徴があります。BIG3で最も伸びが速いことです。背中・お尻・脚・体幹を一度に使い、可動域も単純なので、始めて半年ほどで体重の1.5倍に届く人は珍しくありません。数字の伸びを実感しやすいのはこの種目です。

同じ「中級者」でも、種目で数字はこれだけ違う

「100kg引けたらすごいのか」という問いに一発で答えるための表です。体重70kgの人が各種目で中級者と呼ばれるラインを並べました。

種目中級者の体重比体重70kgなら
ベンチプレス×1.070kg
スクワット×1.5105kg
デッドリフト×2.0140kg

体重70kgの人の100kgは、ベンチプレスなら上級者(87.5kg)を超え、デッドリフトなら初心者(105kg)にも届きません。同じ100kgでここまで評価が変わります。種目をまたいで「◯kgはすごい/すごくない」と語れない理由が、この表に全部出ています。

3種目まとめた早見表と合計(トータル)の目安はBIG3の重量目安一覧に、種目ごとの詳細はベンチプレスの平均スクワットの平均にあります。

トレーニング歴別に見た場合の目安

「何年やったら何kg」を知りたい人向けに、体重70kgを例にして期間の目安を並べます。

レベルトレ歴の目安体重70kgなら次のレベルまで
未経験〜6ヶ月70kg約6ヶ月〜1年
初心者6ヶ月〜2年105kg約1〜2年
中級者2〜5年140kg約3〜5年
上級者5年以上175kg数年〜(到達者はごく一部)
エリート競技志向210kg

1レベル上がるのに必要な重量は、体重70kgなら毎回+35kg(体重×0.5)で一定です。それなのに、かかる期間だけが半年〜1年 → 1〜2年 → 3〜5年と伸びていきます。同じ距離を進むのに時間がかかるようになるだけで、あなたのペースが落ちたわけではありません。

ただしデッドリフトは、最初の1段目(未経験→初心者)だけが例外的に速いです。ここを数ヶ月で通過できたからといって、次も同じペースで行けるとは思わないほうが、あとで心が折れません。

女性のデッドリフトの目安

女性の場合は別の表で見ます。デッドリフトは、女性が最初に「自分の体重を超える重量」を扱えるようになる種目です。初心者の目安が体重×1.0なので、体重50kgなら50kg。バー(20kg)に左右15kgずつ足せば届きます。

体重初心者中級者上級者
体重比×1.0×1.3×1.8
45kg45kg59kg81kg
50kg50kg65kg90kg
55kg55kg72kg99kg
60kg60kg78kg108kg
65kg65kg85kg117kg
  • 初心者(体重×1.0女性が最初に体重を超えやすい種目
  • 中級者(体重×1.3お尻と背中が使えている証拠
  • 上級者(体重×1.8男性の中級者に近い水準

同じレベル名で比べると、女性の体重比は男性の約65%です(中級者:男性×2.0に対し女性×1.3)。ベンチプレスの約60%よりは差が小さく、スクワットの約73%ほどではない——ちょうど3種目の中間です。それでも女性の上級者(×1.8)は男性の中級者(×2.0)に迫る水準で、お尻と背中は女性でもしっかり出力が出る場所だと分かります。

「重いものを持つと脚が太くなる」という心配については女性が筋トレしても太くならない理由に書きました。

今の重量から1RMを出す換算表

ここまでの表と比べるには、自分の1RMが必要です。縦が今扱っている重量、横が引ける回数です。

重量\回数13581012
80kg80kg88kg93kg101kg107kg112kg
100kg100kg110kg117kg127kg133kg140kg
120kg120kg132kg140kg152kg160kg168kg
140kg140kg154kg163kg177kg187kg196kg
160kg160kg176kg187kg203kg213kg224kg
180kg180kg198kg210kg228kg240kg252kg

※ 計算式は 1RM = 重量 ×(1 + 回数 ÷ 30)。デッドリフトは高回数だと握力とフォームが先に落ちるので、5回以下で計算したほうが実態に合います。

たとえば100kgを5回引けるなら1RMは約117kg。体重70kgの人なら体重比×1.67で、初心者(×1.5)を超えて中級者(×2.0)に向かっている位置です。「まだ100kgしか引けない」ではなく、目安表の真ん中あたりにいます。

筆者の場合:BIG3で唯一、目安どおりだったのがデッドリフト

参考までに、筆者自身(筋トレ歴15年・フィジーク大会入賞)の数字を出しておきます。デッドリフトの自己ベストは160kg。体重80kg台の頃の数字なので、体重比は約1.9倍です。表で言えば中級者(×2.0)の一歩手前

面白いのは、BIG3の中でこの種目だけが目安表どおりの位置にいることです。ベンチプレスは120kg(体重比×1.4)で上級者(×1.25)を超えているのに、スクワットは同じ120kg(×1.4)で中級者(×1.5)に届いていない。デッドリフトだけが真ん中に収まっています。

理由は正直なところ「特別なことをしなかったから」だと思っています。フィジークは上半身の見た目で評価される競技なので、私はベンチプレスを重点的に伸ばし、下半身の最大重量は追いませんでした。それでもデッドリフトが平均的な位置まで来たのは、この種目が背中を鍛えていれば勝手に伸びる性質を持っているからです。

3種目を足すとBIG3合計は400kg。合計だけ見れば中級者を超えますが、内訳はかなり歪んでいます。合計は内訳を隠します。その話はBIG3の重量目安一覧に詳しく書きました。

デッドリフトを伸ばす前に、腰を壊さないための優先順位

デッドリフトは伸びが速いぶん、フォームが置いていかれやすい種目です。ケガの報告が最も多いのもこの種目なので、順番を間違えないでください。

1

背中が丸まる重量には手を出さない。これだけは例外なしです。丸まったまま引けてしまうのがこの種目の怖いところで、引けたという事実は安全の証明になりません。動画を撮って自分で確認するのが一番早いです。

2

股関節から折る動き(ヒップヒンジ)を先に覚える。膝を曲げてしゃがむのではなく、お尻を後ろに引く動きです。ここができていないと、脚ではなく腰で引くことになります。

3

頻度は週1回で十分。全身を使うぶん回復に時間がかかります。週2回入れるなら、片方は軽い日にしてください。分割法の早見表

4

握力が理由で止まったら道具を使う。パワーグリップやストラップは甘えではなく、背中に効かせるための道具です。

5

体重の1.5倍を超えたらベルトを検討する。腹圧を保ちやすくなり、腰の負担が減ります。

背中を鍛える意味そのものについては背中を鍛えるべき3つの理由に書いています。

よくある質問

デッドリフト100kgはすごいですか?

体重によります。体重50kgなら×2.0で中級者、体重70kgなら×1.43で初心者(×1.5)の一歩手前です。同じ100kgでも評価は変わります。ただしこれは1RMでの話なので、「100kgを5回」なら1RMは約117kgとして読んでください。

スモウとコンベンショナル、どちらで測ればいいですか?

この記事の表と比べるならコンベンショナルです。スモウは引く距離が短いぶん数字が上ぶれしやすいので、同じ表で比べると自分を高く見積もることになります。普段スモウで引いている人は、それはそれで構いません。毎回同じ条件で記録していれば、伸びているかどうかは分かります。

翌日に腰が張るのは普通ですか?

背中やお尻、もも裏の筋肉痛なら正常です。ただし腰の一点が刺すように痛む・しびれる場合は筋肉痛ではありません。重量を落とすのではなく、いったん止めてください。デッドリフトは「痛いけど引ける」が成立してしまう種目なので、自己判断で続けるのが一番危険です。

自宅(ダンベル)でもデッドリフトはできますか?

できます。ダンベルを両手に持つルーマニアンデッドリフトなら、もも裏とお尻に十分効きます。ただし扱える重量が変わるので、この記事の表とは比べないでください

自分のレベルをまとめて知りたい

体重とレベルを選ぶだけでBIG3の目標重量が出る筋トレレベル診断を用意しています。

まとめ

  • ▸ 出典のある「全国平均」は存在しない。比べるなら体重比で見る。
  • ▸ 男性は体重×2.0が中級者。女性はその約65%(中級者×1.3)で、BIG3で最も男女差が小さい。
  • ▸ 比べる前に条件を揃える。スモウ・トラップバー・ラックプル、そしてプレートの直径でも数字は変わる。
  • ▸ BIG3で最も伸びが速い種目。最初の1段目が速いだけで、そのあとは他の種目と同じように時間がかかる。
  • ▸ 背中が丸まる重量には手を出さない。引けたことは安全の証明にならない。

まずは今の重量から1RMを換算して、自分の行を確認してみてください。次の行までの距離が数字で見えると、デッドリフトは「重さ自慢の種目」から「計画」に変わります。

📊 BIG3の目標重量をまとめて診断する

体重とレベルを選ぶだけ。次のレベルまでの差分もわかります →

この記事をシェア

🏋️

運営者厳選のおすすめギア

デッドリフトで効くベルト・パワーグリップを見る →

この記事を書いた人

motsu

筋トレ歴15年フィジーク大会入賞90kg→78kg(−12kg)

20代で体重90kg超の運動不足から一念発起。試行錯誤の末に大会入賞レベルまで体を変えた実体験をもとに発信しています。