コラム
筋トレとお酒の付き合い方
正直に言うと、私はお酒が好きで毎晩飲んでいます。それでも15年筋トレを続けてこられた経験から、お酒との上手な付き合い方をお伝えします。
筋トレをしているけれど、お酒も好き——そんな方にとって「飲んでいいのか、やめるべきか」は気になるテーマですよね。お酒を完全にやめる必要はありませんが、アルコールが筋肉や体に与える影響を正しく理解した上で付き合い方を考えることが大切です。この記事では、アルコールの影響と上手な付き合い方を解説します。
アルコールが筋肉に与える影響
アルコール(エタノール)は、体内でさまざまな筋肉合成・回復のプロセスを妨げることが研究で明らかになっています。
タンパク質合成を抑制する
筋トレ後には筋肉の修復と成長のためにタンパク質合成が活発になります。しかしアルコールはこのタンパク質合成のシグナル(mTOR経路)を阻害することが確認されています。つまり、トレーニング後に飲酒すると、せっかくの筋トレ効果が減少してしまう可能性があるのです。
ある研究では、筋トレ後にアルコールを摂取したグループは、摂取しなかったグループと比べてタンパク質合成量が約37%低下したという結果も報告されています。
成長ホルモンの分泌を妨げる
筋肉の修復と成長には成長ホルモンが欠かせません。成長ホルモンは主に睡眠中(特に深い睡眠時)に分泌されますが、アルコールは睡眠の質を低下させ、深い睡眠の時間を短くしてしまいます。その結果、成長ホルモンの分泌量が減り、筋肉の回復が遅れます。
脱水と栄養の消費
アルコールには利尿作用があり、飲酒によって体内の水分が失われます。筋肉の約70%は水分で構成されており、脱水状態になると筋肉のパフォーマンスや回復力が低下します。また、アルコールを代謝する過程でビタミンB群や亜鉛などのミネラルが消費されるため、栄養面での損失も生じます。
テストステロンを低下させる
アルコールは男性ホルモンであるテストステロンの分泌を抑制します。テストステロンは筋肉の合成を促進する重要なホルモンであるため、慢性的な大量飲酒は筋肉がつきにくい体質につながる可能性があります。
お酒のカロリーを数字で見る
筋肉への影響と並んで現実的な問題が、カロリーです。まず前提として、アルコールそのものが1gあたり7kcalあります。糖質やタンパク質が4kcal、脂質が9kcalなので、位置づけとしては脂質寄りです。つまり「糖質ゼロ」でもカロリーはしっかり残ります。
| 種類 | 量 | カロリー | 糖質 |
|---|---|---|---|
| ハイボール | 350ml | 約70kcal | 0g |
| 焼酎ロック | 60ml | 約85kcal | 0g |
| 赤ワイン | グラス120ml | 約85kcal | 約2g |
| ビール | 350ml | 約140kcal | 約11g |
| 日本酒 | 1合180ml | 約190kcal | 約8g |
| 缶チューハイ (7%) | 350ml | 約200kcal | 約13g |
※商品によって差があるので目安です。
ビール350mlの内訳を分解すると、糖質11g(44kcal)に対してアルコール由来が約98kcal。カロリーの7割はアルコールそのものです。だから糖質ゼロビールに変えても、カロリーは半分程度にしかなりません。「糖質ゼロだから大丈夫」は成り立たないということです。
毎晩ビール2本を1ヶ月続けると
140kcal × 2本 × 30日 = 8,400kcal。体脂肪1kgが約7,200kcalなので、ひと月あたり脂肪1.1kg分に相当します。1年なら13kg分です。もちろん実際には食事全体のバランスで決まりますが、飲む分をどこかで削らなければこの計算が効いてきます。
私は毎晩飲みますが、90kgから78kgまで落とせました。矛盾しているようで、していません。飲む前提で1日の総カロリーを組んでいただけです。お酒をやめるか続けるかではなく、飲む分の枠をどこから持ってくるかという話になります。自分の1日の消費カロリーはカロリー計算機で確認できます。
飲んでもOKなタイミング
アルコールの影響を最小限に抑えながらお酒を楽しむには、タイミングが重要です。
トレーニングをしない日(オフ日)
筋トレをしない休養日であれば、比較的ダメージは少なくなります。トレーニング後24時間以上経過していれば、急性期の筋肉合成への影響は小さくなります。
次のトレーニングまでに時間がある日
翌日がトレーニング日の場合は、飲むとしても量を控えめにしましょう。アルコールの分解には1ユニット(ビール350ml缶1本分)あたり約1〜2時間かかります。
トレーニングから最低3〜4時間後
どうしてもトレーニング日に飲む場合は、トレーニング後にまずタンパク質をしっかり摂取してから、最低でも3〜4時間後に飲むようにしましょう。
お酒好きでも成果を出すコツ
お酒が好きでも、工夫次第で筋トレの成果を出すことは十分可能です。完全禁酒でなくても、以下のポイントを意識するだけで大きく変わります。
飲む量を「週単位」で管理する
毎日少し飲むよりも、週に1〜2日に集中させる方がダメージを最小化できます。厚生労働省が推奨する「節度ある適度な飲酒」は、1日あたり純アルコール20g程度(ビール中瓶1本・日本酒1合・ワイン2杯弱)です。これを週単位で守ることを意識してみましょう。
飲む前後にタンパク質を摂る
飲酒前に高タンパクな食事(鶏肉・魚・卵など)をしっかり摂ると、アルコールの吸収が緩やかになり、タンパク質合成への影響も小さくなります。飲酒後もギリシャヨーグルトやプロテインなど、消化しやすいタンパク質を補給すると回復をサポートできます。
水をしっかり飲む
飲酒中はお酒1杯につき同量の水を飲む習慣をつけましょう。脱水を防ぐことで翌日のコンディションが大きく改善します。
蒸留酒(ハイボール・焼酎など)を選ぶ
糖質の少ない蒸留酒(ウィスキー・焼酎・ジン・ウォッカなど)を選ぶと、余計な糖質摂取を抑えられます。ビールや甘いカクテルは糖質が多く、体脂肪の蓄積につながりやすいため注意しましょう。
お酒との上手な付き合い方まとめ
- ・トレーニング直後の飲酒は避ける
- ・飲むならオフ日か、トレーニングから4時間以上後
- ・飲む前後にタンパク質をしっかり摂る
- ・水を並行して飲み、脱水を防ぐ
- ・糖質の少ない蒸留酒を選ぶ
- ・週単位で飲む量をコントロールする
まとめ
- ・アルコールは1gあたり7kcal。糖質ゼロでもカロリーは残る(ビールの7割はアルコール由来)
- ・毎晩ビール2本で月8,400kcal=脂肪1.1kg分。飲む枠をどこかから持ってくる必要がある
- ・飲むならトレ後3〜4時間空けてから。オフ日に寄せるのがいちばん影響が小さい
- ・選ぶなら蒸留酒(ハイボール・焼酎)。同じ酔いでカロリーが半分以下になる
- ・禁酒しなくても成果は出る。実際、私は毎晩飲みながら12kg落としました
大事なのは「やめるか続けるか」ではなく、飲む前提で1日の総量を組めるかどうかです。摂取カロリーの枠はカロリー計算機で、削るべきは何かは食事制限だけでリバウンドする理由を参考にしてください(タンパク質だけは削らないことです)。サクトレで自分のライフスタイルに合ったメニューを作成しましょう。
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この記事を書いた人
motsu
20代で体重90kg超の運動不足から一念発起。試行錯誤の末に大会入賞レベルまで体を変えた実体験をもとに発信しています。